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軟調相場…投資家の関心はバリュー株へ
テレビNO.1…シェア減も業績は好調
フィリピンでダントツのテレビ局GMA Network Inc. (GMA7)は、株価軟調な動きになっています。
これは、GMA7が2021年に110万人の視聴者を減らし、8300万人になったというデータが発表されたことと、世帯カバー率が98.5%から95.7%に低下、市場シェアも2020年の48.3%から46%に減少したというネガティブニュースによるものです。しかしながら、同社が文句なしの1位を維持している事実は変わりません。また、より多くの視聴者を獲得するため、同社はデジタル・プラットフォームの強化と新番組の制作に200億ペソの追加予算を計上すると発表しました。
全体として、GMA7は好調な2021年通期の業績を報告できる見込みで、2021年第三四半期時点で、15%増収、53.3%増益を記録し、すでに2021年通期業績見込みを達成しています。2021年は1株当たり1.35ペソの史上最高配当となり、配当の面でも記録的な年となりました。GMA7は歴史的に利益の80%以上を配当してきたため、このような魅力的な利回りを維持することが期待されています。
不動産大手に割安感
フィリピンでは、オミクロン株の陽性率が47.1%のピークから低下する中、不動産大手Robinsons Land Corp.(RLC)が注目されています。RLCの2021年のPERは12倍で、過去10年PER平均より1.5標準偏差低い水準です。
また、SM Prime Holdings (SMPH) 29倍やAyala Land Inc.(ALI) 24倍などの同業他社に対し、相対的に割安な水準にあります。RLCのアナリストコンセンサス目標株価は 25.14ペソで、現在の株価から30%程度のアップサイドがあります。