写真:PIXTA

フィリピン株総合指数・PSEIは、1月27日終値で7,253.61と世界的なリスクオフモードのなか、7,300をうわまわることができない展開になっています。ウクライナ問題、中東での紛争懸念による石油・天然ガス高とそれに伴うインフレ加速、アメリカの金利動向、FRBのバランスシート縮小……世界市場が神経質になっている今、フィリピンマーケットも先行き不透明感が増しています。このようななか、注目すべき銘柄は。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏のレポートです。

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軟調相場…投資家の関心はバリュー株へ

テレビNO.1…シェア減も業績は好調

フィリピンでダントツのテレビ局GMA Network Inc. (GMA7)は、株価軟調な動きになっています。

 

これは、GMA7が2021年に110万人の視聴者を減らし、8300万人になったというデータが発表されたことと、世帯カバー率が98.5%から95.7%に低下、市場シェアも2020年の48.3%から46%に減少したというネガティブニュースによるものです。しかしながら、同社が文句なしの1位を維持している事実は変わりません。また、より多くの視聴者を獲得するため、同社はデジタル・プラットフォームの強化と新番組の制作に200億ペソの追加予算を計上すると発表しました。

 

全体として、GMA7は好調な2021年通期の業績を報告できる見込みで、2021年第三四半期時点で、15%増収、53.3%増益を記録し、すでに2021年通期業績見込みを達成しています。2021年は1株当たり1.35ペソの史上最高配当となり、配当の面でも記録的な年となりました。GMA7は歴史的に利益の80%以上を配当してきたため、このような魅力的な利回りを維持することが期待されています。

不動産大手に割安感

フィリピンでは、オミクロン株の陽性率が47.1%のピークから低下する中、不動産大手Robinsons Land Corp.(RLC)が注目されています。RLCの2021年のPERは12倍で、過去10年PER平均より1.5標準偏差低い水準です。

 

また、SM Prime Holdings (SMPH) 29倍やAyala Land Inc.(ALI) 24倍などの同業他社に対し、相対的に割安な水準にあります。RLCのアナリストコンセンサス目標株価は 25.14ペソで、現在の株価から30%程度のアップサイドがあります。

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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