写真:PIXTA

新型コロナ感染症に左右された、2021年の世界の株式市場。それはコロナ禍前、「世界一の投資適格国」と称されたフィリピンも同様です。2022年、フィリピン株式市場の展望について、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏が解説します。

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2021年「フィリピン株式市場」を総括

2021年はコロナからの完全回復が期待されていましたが、結果的には相当程度コロナの影響が残り、相場も期待していたレベルまでは到達しなかったということでしょうか。2022年については、オミクロン変異株が世界中でパンデミック化している状況ですが、米国中心に株式市場は堅調なスタートを切りました。

 

それでは、最初に2021年のフィリピン株式市場を総括していくために、2021年度の利益水準をコロナ前の2019年と比較しながら見ていきます。

 

フィリピン株価総合指数PSEI採用銘柄の中で、2019年の利益を大幅に上回ったのが、再生可能エネルギー会社・アヤラエナジー(ACEN)、ブロードバンド通信会社コンバージ(CNVRG)そして国際港湾運営会社・インターナショナルコンテナーグループ(ICT)で、それぞれ9563.4%, 248.1%, 236.1%の大幅増益となりました。

 

再生可能エネルギーへのシフトは、世界的な動きで、フィリピンでも加速している中での好業績です。コロナ禍でリモートワーク、オンライン会議など社会のDX化が一気に進んだことと新規上場会社ということで、IPO資金を活用して、通信塔への設備投資などを一気に拡大して行ったことが要因です。ICTについては、グローバルサプライチェーンの問題はまだ残るものの、2021年は国際物流網が大幅に改善してきたこと、そしてICT自体が世界中で新規の案件を獲得してきたことが大幅増益につながりました。

 

そのほか、コロナ前の2019年と比較して、大きく利益を伸ばしている会社は、以下となります。

 

  • 食品大手ユニバーサルロビーナ・URC(+27.6%)
  • 発電大手 AEV(+14.2%)
  • 通信 TEL(+21.2%)
  • 通信・GLO(+16.7%)
  • 生活雑貨小売PGOLD(29.1%)
  • ホームセンター大手 WILCON(+42.4%)

 

特徴としては、やはりコロナ禍で需要が高騰した会社です。キャッシュレス決済などのフィンテック含めたDX化の流れにフィットした通信セクター、再生可能エネルギー銘柄、生活必需品・巣篭もり銘柄といったところが業績を伸ばしたわけです。

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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