写真:PIXTA

フィリピン株総合指数・PSEIは、1月20日終値で、7,261.54と7,300を下回り、軟調な動きになっています。ハイパーインフレ、FRBの早期利上げ、バランスシート縮小、オミクロン株の世界的な流行……投資家心理が弱含みになっている模様です。そのようななか、グロース株からバリュー株へと市場の注目がシフトする動きが見られます。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏のレポートです。

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フィリピン総合指数への追加が期待される銘柄

 

フィリピン証券取引所は来月、定期的なPSEiの入れ替えを実施する予定です。モンデニッシンコーポレーション(MONDE)がインデックスに追加されると予想されています。

 

フィリピン証券取引所のインデックス再編成ルールでは、時価総額が25位以上で、浮動株比率が15%以上、そして、過去12ヵ月間のうち9ヵ月間で1日の売買代金が上位25%に入って入れば、PSEiに組み入れることができることになっています。

 

MONDEは、市場で最も活発に取引されている銘柄の1つです。現在の時価総額は2,817億ペソ。国内上場企業の中で17番目に大きいです。

 

チャート的には、MONDEは今後のインデックス再構成を見越した値動きをまだ見せていません。同社は、パンデミックによるサプライチェーンの混乱で大きな悪影響を受けた企業の一つですが、フィリピンで最も認知度の高い食品企業であり、麺類の分野では業界トップです。アナリストのコンセンサス目標株価は20.00で、20%程度のアップサイドがあります。

フィリピン初の工業団地・倉庫REITのIPOを計画

 

DoubleDragon Corporation(DD)とJollibee Foods Corp.(JFC)の合弁会社であるCentralHub Industrial Centers Inc.は、6.2ヘクタールのターラック工業団地の第4期工事を完了しました。同プロジェクト以外にも、DD社はカピス、パシグ、ラグナ1、ラグナ2を既に完工しています。また、Iloilo、Davao、Cebuの完成も控えており、近々ポートフォリオに追加される予定です。

 

同社は、現在43.8ヘクタールの工業団地を保有しており、Jollibee Foods Corp.との合弁事業を完了した後も、工業団地・倉庫ポートフォリオを拡大していきます。また、2022年後半にはフィリピン初の工業団地・倉庫REITのIPOを計画しています。ECやコールドチェーンへの需要拡大に伴い、最新鋭の産業用倉庫に対する需要は高まっており、DD社はこの分野で強力な足場を築いています。

 

また、産業用不動産と合わせて、ホテル事業にも注力しています。DDの前身はInjap Land Corporationで、Injap Investments Inc.の不動産開発部門として2009年に設立されました。2012年には、Edgar J.Sia IIが率いるInjap Investmentsと、Jollibee Foodsの創業者Tony Tan氏が率いる株会社とのジョイントベンチャーとなり、2014年にフィリピン証券取引所にて株式公開しました。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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