「父親孝行」が自分たちの生活を脅かす結果に
木戸さんは、〝しまった!〞と思わず声が出そうになりました。
確かに、相続のときに葬式代が引き出せないことがあるとは聞いたことがありました。しかしながら、親が健在な場合にまで凍結の可能性があったとは寝耳に水です。父親の代わりに支払いをしようとしただけで、まさかこんなことになるとは思ってもみなかったのです。
もし凍結でもされたら、家族が父親の生活費や介護費を本人の口座から支出することができなくなってしまうではありませんか。ごく稀に、家族が立て替えることはあります。しかし、あくまで少額の場合だけです。
今回のように大きなおカネまで立て替えるわけにはいきません。立て替えてしまうと今度は自分たちの生活が成り立たなくなります。木戸さんの子どもは大学生のため、今は教育費におカネがかかっているのです。
この先どんな末路となるのか、リフォームの請求書を見ながら〝しまった!〞と何度も心の中で叫びました。
岡 信太郎
司法書士のぞみ総合事務所
代表司法書士
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】