入院中の父親が「家に戻りたい」と言っていることから、息子は計380万円のリフォームを決心。しかしそれが破綻を招くことになろうとは……のぞみ総合事務所代表司法書士の岡信太郎氏が、実際のエピソードをもとに解説します。

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認知症の父親のため、380万円のリフォームを決心

〝しまった!〞と木戸さん(56歳、男性)は、心の中で叫びました。

 

木戸さんの父親は体調が悪くなり、現在病院に入院して治療を受けています。本人は回復でき次第「家に戻りたい」と言っています。

 

とはいえ、実家は昔ながらの日本家屋で段差も多く、体が弱った父親が暮らすには不便な造りとなっています。今後も自宅で生活するとしたら、手すりを設置するなどバリアフリーにやり替えなければなりません。他にも、ベッドなどの購入が必要となります。

 

本人の希望をできる限り叶えたいと考えた木戸さんは、知り合いのリフォーム会社に見積もりを依頼しました。後日、見積書を受け取ると総額180万円と記載されています。

 

実は木戸さんは、このタイミングで、古くなり傷んでいる別の個所もやり替えたいと考えていました。フローリングの床が沈み始めており、畳もかなり劣化しています。

 

一番心配なのが、窓のサッシが木造なことです。老朽化で何本か外れてしまっていて、まったく防犯の機能を果たしていません。最近は近所に空き巣が入ったとの話もあり、このままにしておくのは物騒です。

 

このような事情もあり、〝ここは思い切って全面的にリフォームしたい〞という気持ちが強くなったのです。リフォーム会社に相談すると、希望通りにすると、追加で200万円はかかるとのことでした。

 

父親が退院できる見込みが出てきたことから、木戸さんは全面リフォームを決心しました。そして、リフォーム会社に正式に依頼しました。リフォームは約1カ月かかり、無事に完了しました。

 

家の中が見違えるほど変わり、父親がまた自宅で生活できるようバリアフリー化もされています。以前から気になっていた部分についても、一新することができました。

 

木戸さんは、家の中を見渡しながら思い切ってやってよかったとすっかり安堵しました。後は父親の退院を待つだけ、のはずでした……。

 

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本記事は、岡信太郎氏の著書『財産消滅~老後の過酷な現実と財産を守る10の対策~』(ポプラ社)から一部を抜粋し、再編集したものです。
※登場人物は全て架空の人物であり、守秘義務に反しないようにストーリーを展開しています。

財産消滅 老後の過酷な現実と財産を守る10の対策

財産消滅 老後の過酷な現実と財産を守る10の対策

岡 信太郎

ポプラ社

5年後には「65歳以上の5人に一人が認知症を発症する」といわれている昨今の超高齢社会。認知症は介護などの生活面だけではなく、資産運用や契約など財産面にも大きな影響を与えます。 多くの認知症患者の成年後後見人として…

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