人は自分が思うほど、相手のことなど見ていない
■自分に自信がある人ほど「弱み」を見せられる
「弱みなんか見せたら、取るに足りない人物、くだらない人物だと思われないか」
と心配する人がいます。
でも、反対なのです。
「弱み」を見せられる人は、自分に自信がある人。弱みを見せられるということは、自分のダメな部分、弱い部分、できない部分を自分で肯定しているということだからです。
傍から見ていても、人にいいところばかり見せようと躍起になっている人より、できないことはできないと言う人、ダメな部分は自分で認められる人のほうが、自分に自信があるように見えます。
自分の欠点を隠そうとばかりしていたり、弱さを取り繕って尊大な態度に出たりする人は、弱い犬がキャンキャン吠えるのと一緒で、あまり見栄えのいいものではありません。見ていてすぐにわかります。
しかも、他人というのはもともと、人の「いい部分」を見ようとしてくれるものなのです。自分にはない部分、相手の美点ほど目に留まり、羨ましがってくれるようにできています。
ですから、あなたがどれだけ弱みや欠点をさらけ出したところで、相手はほとんど気にしません。人は自分が思うほど、相手のことなど見ていないものです。
あなたも人のことなど気にすることはありません。存分に「弱み」をさらけ出してください。
老人になってからでは、若いころから染みついた態度を改めるというのは難しいので、なるべく頭の柔軟な若いうちから、「弱み」をさらけ出せる懐の深さを身につけておきたいものです。
それが、老後まで含めた長い人生を、幸せに送るポイントのひとつだと思います。
和田 秀樹
和田秀樹こころと体のクリニック 院長