2031年は日経平均10万円…日本の先行きを「楽観」できるワケ (写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、武者リサーチが2022年1月1日に公開したレポートを転載したものです。

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日本はいま「着実なキャッチアップ過程」

2021年もハイテク敗戦、グリーン敗戦、金融敗戦、コロナ敗戦と自虐思考のオンパレードであった。ここまでくれば悲観も陰の極ではないか。敗戦はすべて過去に起こったこと、あるいは過去に蒔かれたマイナスの種が影響を残したことにすぎず、将来も敗け続けるということではまったくない。

 

過去を振り返ると、日本の最悪期はだいぶ前であったことがわかる。日本株(日経平均)のバブル後最安値は2009年3月10日の7054円、直近の高値は2021年9月14日の30795円、この12年間で日本の株価は4.37倍(年率13.1%)になった。

 

[図表1]2009年3月9日以降の主要国株価推移
[図表1]2009年3月9日以降の主要国株価推移

 

[図表2]元号と株価の推移
[図表2]元号と株価の推移

 

このパフォーマンスは、米国を除けば世界の優等生。日本が本当に世界に劣後していたのはアベノミクスが始まる8年前までで、以降は着実なキャッチアップの過程に入っている。それは日本企業のビジネスモデルの大いなる変革と企業収益の飛躍的向上に支えられている。

 

企業における価値創造こそが将来を形作る最も重要な要素であるから、このペースの株価成長が維持される可能性は大きい。となれば10年後の2031年には日経平均は10万円になる。なぜ日本において、企業による価値創造が期待できるのか、以下で考えてみる。

 

悲観論者と楽観論者で財産形成に極端な格差ができている。格差を非難する株式投資批判者は、政治や体制を糾弾するのではなく自らの不明さを反省するべきである。

市場を巡る「不確実性」は消えつつある

2022年、経済と市場は引き続き明るい年になるだろう。第一にグローバル投資環境は良好である。第二に日本株の再評価が始まり、バリュエーションが向上するかもしれない。

 

市場を巡る不確実性が大方消えて来た。米中対立は依然として熾烈だが、経済面では持久戦の様相が強まり不透明感は消えつつある。またコロナパンデミックも、オミクロンなど変異株の相次ぐ誕生から制圧には至らないが、経済への悪影響は減衰している。イノベーションの加速とフレンドリーな金融政策の下で、積極的投資姿勢を堅持するべきである。

 

米国中間選挙、フランス、韓国の大統領選挙等の政治的イベントも大きな攪乱要因にはなりにくい。中国での政変(?)、韓国大統領選保守党候補勝利による日韓宥和(ゆうわ)、等のサプライズがあればむしろポジティブなものになる可能性が強い。

 

日経平均28500~35000円、NYダウ工業株35000~40000ドル、米長期金利1.25~1.90%、ドル円113~123円、と見ている。個人資金のETFを通した市場流入が増加しており、インデックス主導、先物主導の市場構造は一段と強まっている。

 

そのためボラテリティの高まりには注意が必要であろう。年央のどこかで一定の株価調整を想定するべきかもしれない。

 

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株式会社武者リサーチ 代表

1949年9月長野県生まれ。
1973年 横浜国立大学経済学部卒業後、大和証券に入社し、調査部に配属。87年まで企業調査アナリストとして繊維、建設、不動産、自動車、電機・エレクトロニクスを担当。ニューヨーク駐在の大和総研アメリカでチーフアナリスト、大和総研企業調査第二部長を経て、1997年1月ドイツ証券入社し、調査部長兼チーフストラテジスト、2005年副会長兼チーフ・インベストメント・アドバイザーに就任。2009年7月株式会社 武者リサーチ設立、現在にいたる。

著者紹介

連載武者リサーチ経済・金融市場分析レポート

本書で言及されている意見、推定、見通しは、本書の日付時点における武者リサーチの判断に基づいたものです。本書中の情報は、武者リサーチにおいて信頼できると考える情報源に基づいて作成していますが、武者リサーチは本書中の情報・意見等の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。かかる情報・意見等に依拠したことにより生じる一切の損害について、武者リサーチは一切責任を負いません。本書中の分析・意見等は、その前提が変更された場合には、変更が必要となる性質を含んでいます。本書中の分析・意見等は、金融商品、クレジット、通貨レート、金利レート、その他市場・経済の動向について、表明・保証するものではありません。また、過去の業績が必ずしも将来の結果を示唆するものではありません。本書中の情報・意見等が、今後修正・変更されたとしても、武者リサーチは当該情報・意見等を改定する義務や、これを通知する義務を負うものではありません。貴社が本書中に記載された投資、財務、法律、税務、会計上の問題・リスク等を検討するに当っては、貴社において取引の内容を確実に理解するための措置を講じ、別途貴社自身の専門家・アドバイザー等にご相談されることを強くお勧めいたします。本書は、武者リサーチからの金融商品・証券等の引受又は購入の申込又は勧誘を構成するものではなく、公式又は非公式な取引条件の確認を行うものではありません。

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