(※写真はイメージです/PIXTA)

「売上が上がらない」「計画通りに仕事が進まず結果に結びつかない」など、中小企業は日々経営課題に直面しています。中小企業にこそ「経営計画」が不可欠です。経営計画の作成・推進支援のコンサルティング経験が豊富な中小企業診断士が著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で、経営計画の作り方をわかりやすく解説します。

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中堅企業の「経営計画」の課題とは

■中堅企業向けの経営計画とは?

 

中小企業の場合は、経営者を中心として少人数で会社を運営しているケースがほとんどです。ですから、A4用紙一枚の経営計画の基本フォーマットに従えば、短時間で容易に経営計画を作成することができます。

 

ところが、中小企業でも、事業規模が大きい、いわゆる中堅企業ともなると、扱う金額が大きくなるため、その管理も大変になります。

 

また、事業内容も多岐にわたるため、実施する施策や行動計画の数も増えてきます。そこで、A4用紙一枚で作成した経営計画と基本構成は同じですが、計数を詳細に管理できるとともに、施策や行動計画の数に対応できる経営計画のフォーマットを準備しました。また、年度で実施していく施策は単なる項目だけでなく、その具体的な内容も記載し、経営計画を見れば施策の内容が詳細に理解できるようにしてあります。

 

出典:宮内健次著『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より
出典:宮内健次著『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より

 

 

■経営計画が数値計画になってしまう理由とデメリット

 

ある程度、管理体制のできている中堅企業でも、社長が売上目標の設定や資金繰り表の作成などふだんから数値中心の経営をしているため、数値計画だけを作成することになりがちですが、それには以下のようなデメリットがありますので注意してください。

 

①数値の根拠がわからない

経営計画は長期にわたり作成しますが、売上や費用は将来の需要予測を加味していくと必ずしも毎年一定ではありません。


また、債務超過がある会社の場合、早く正常な会社にしたいために無理な利益を計上して数値計画を作成するところもあります。しかし、数字の裏づけをその金融機関から聞かれても答えられず、結局数値計画を見直しすることになります。

 

②目標を達成する方法がわからない

経営計画を数値計画だけで作成した場合には、作成した数値計画を達成するために、何をどのようにするのかが具体的にわかりません。当然、数値計画は絵に描いた餅になってしまい、数値計画は未達になってしまいます。

 

そうならないためにも、中堅企業向けの経営計画のフォーマットのフォーマットを大いに活用してください。

 

ワンポイント
少し大きな会社ではA4用紙一枚の経営計画では収まりきらない。
具体的行動
ありがちな数値計画中心の経営計画では、目標達成が絵に描いた餅になる。

 

次ページ中堅企業の経営計画の具体的な内容

※本連載は、宮内健次氏の著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋、再編集したものです。

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

宮内 健次

日本能率協会マネジメントセンター

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