(※写真はイメージです/PIXTA)

次から次へと変異株が登場する新型コロナウイルス。今一番勢いを増しているのはオミクロン株です。日本国内でも感染者が確認されていますが、海外に比べると圧倒的に少数。オミクロン株が猛威を振るっていると聞いても、日本人としてはあまりピンと来ないのではないでしょうか。オミクロン株の脅威性について、米国を中心に、現在の感染状況や議論を見ていきましょう。

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たった数週間でデルタ株を凌駕…オミクロン株の感染力

米国では、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が、山火事のように広がっています。

 

米疾病対策センター(CDC)によると、2021年12月1日、米国で最初のオミクロン株の感染者が確認されました。その後ゲノムサーベイランスの結果、12月4日に終了した週は、オミクロン株は新規感染者の0.6%(同日新規感染者数6万728人)、12月11日に終了した週は6.9%(同5万9612人)、12月18日に終了した週は22.5%(同7万6510人)、そして12月25日に終了した週は58.6%(同10万4068人)でした。たった数週間でデルタ株からオミクロン株の優勢に置き換わってしまったのです。

 

米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長が米ニュース番組で「前例がない」と述べたほどの割合です。

 

*CDCは当初、12月18日に終了した週の感染者の73%がオミクロン株と推測しました。ところがその後、推定値は22.5%に修正されました。CDCの当初の推定値はかなり外れていましたが、感染者数の増加と新しいデータは、依然として、オミクロン株の急速な広がりを示しています。

 

※1 https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#variant-proportions

※2 https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#trends_dailycases

※3 https://www.cnbc.com/2021/12/22/omicron-could-potentially-hasten-the-covid-pandemics-end-says-expert.html

どの地域も、いずれオミクロン株が主流になる見込み

ワシントン大学医学部保健指標評価研究所(IHME)と共同で外交問題評議会が主導する「Think Global Health」に、IHMEのアリ・モクダッド博士とキャサリン・リーチ・ケモン博士は「オミクロン株の拡散スピードは目を見張るものがあります。今後2ヵ月の間に、過去2年間に新型コロナウイルスに感染した人と同数の人が感染することが推測されます」と指摘します(※4)

 

実際、全米で感染者数は増え続け、12月27日は44万1278人もの新規感染者が確認されました。

 

ただし、オミクロン株の広がりは、地域ごとに差があります。たとえば、12月25日のCDCのデータによると、ニューヨーク州とニュージャージー州では、オミクロン株は感染者の88.4%。一方、ニューイングランド地方(メイン州、マサチューセッツ州、ニューハンプシャー州、バーモント州、コネチカット州、ロードアイランド州)では、まだオミクロン株は44.5%で、デルタ株が55.3%とまだ過半数を占めていました。

 

それでも、ニューイングランド地方もすぐにオミクロン株に置き換わることでしょう。事実、私が住むマサチューセッツ州でも、新型コロナウイルスの感染者が急増しています。12月27日には、1万2983人の感染が確認されました。1日で報告された過去最大の感染者数です。同日、25人が亡くなりました(※5)

 

※4 https://www.thinkglobalhealth.org/article/sensible-approach-omicron

※5 https://www.mass.gov/info-details/covid-19-response-reporting

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