約半年ぶりに米国入国した医師…「日米の状況の違い」に驚愕 (※写真はイメージです/PIXTA)

普段はアメリカで暮らしているという大西睦子医師。新型コロナワクチンの接種を支援するために、2021年5月16日からおよそ半年間の間、日本に滞在していました。日本では感染状況が落ち着き、1日の新規感染者数が100人未満という日もある一方で、海外では感染者が急増中。もとより流行状況に大きな差があるものの、12月1日にアメリカへ入国した同氏は、「状況の違い」にとても驚かされたと振り返ります。感染者数の多寡を見るだけではわからない、意外な実情とは?

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「オミクロン流行下の空港」は日米で対照的

6ヵ月半の日本滞在を終え、2021年12月1日に私はボストンに戻りました。出国前日、日本政府は、新型コロナウイルス・オミクロン株の対応のため水際対策を強化。すべての国や地域から、外国人の新規入国が一時停止となりました。

 

案の定、成田空港は閑散としていて、多くの店は閉まっていました(写真1)。ところが乗り継ぎのニューアーク国際空港に到着した瞬間、日米の状況の違いに目を疑いました。入国審査のための長い行列、レストランやバーでくつろぐ人々、混み合う国内線の出発ロビー…。社会の状況は正常に近づいているように見えました(写真2)。

 

筆者撮影
[写真1]2021年12月1日の成田国際空港 筆者撮影

 

筆者撮影
[写真2]2021年12月1日のニューアーク・リバティー国際空港 筆者撮影

アメリカの旅客数は「1日平均200万人超」まで復活

市場調査や消費者のデータを専門に扱うドイツ企業「スタティスタ(Statista)」社の2021年11月24日の報告によると、米国では、新型コロナウイルス流行前は、1日の空港旅客数は200万人を超えるのが当たり前でしたが、2020年4月は10万人まで落ち込みました(※1)

 

その後ゆっくりと回復し、2021年6月11日に、新型コロナウイルスが流行して以来、初めて1日で200万人を超えました。夏の繁忙期の間は1日平均200万人の大台になりましたが、2019年の旅客数とは1日平均で約50万人もの差がありました。現在、その差は約30万人に狭まり、米国運輸保安局(TSA)のデータによると、11月19日から28日までのサンクスギビングの期間中、旅客数はほぼ連日200万人以上に増加しました(※2)

 

米政府は、2021年11月8日、海外からの旅行者に、新型コロナウイルスワクチン接種を完了した証明を提出すること、出発までの3日以内に新型ウイルス検査の陰性証明書を義務に渡航規制を解除。ワクチンを接種しているので隔離の義務はありません。

 

ただしオミクロン株の対応のため、12月2日バイデン大統領は、12月6日以降、出発する1日以内に受けた新型コロナウイルス検査の陰性証明書の提示する必要を発表しました。それでも、12月10日現在、200万人を超える国内外の空港旅客数で賑わっています。

 

ちなみに、現在の米国における「濃厚接触者」「陽性例」の扱いについては、米疾病対策センター(CDC)が以下のように推奨しています(※3)

 

濃厚接触者(24時間以内に6フィート〔=約1.8m〕未満の距離で累積15分以上接触)については、ワクチン接種を完了していない場合、14日間の自宅待機。ワクチン接種が完了している場合、濃厚接触後、症状がなければ隔離の必要はありません。ただし、症状がなくても接触から5~7日後に検査を受け、接触後14日間または検査結果が陰性になるまで、公共の場では屋内でマスクを着用してください。症状がある場合は、直ちに自主隔離し、地元の保健所または医療機関に連絡してください。

 

陽性例は、症状がない場合は、陽性反応が出てから10日間の自主隔離を行う必要があります。

 

※1 https://www.statista.com/chart/24599/passenger-screenings-at-us-airports/

※2 https://www.tsa.gov/coronavirus/passenger-throughput

※3 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/your-health/quarantine-isolation.html

星槎グループ医療・教育未来創生研究所 ボストン支部 研究員 内科医師、医学博士

米国ボストン在住。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年から13年まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員。

【主な著書】
『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)
『「カロリーゼロ」はかえって太る!』(講談社+α新書)
『健康でいたければ「それ」は食べるな』(朝日新聞出版)

著者紹介

医療と社会の間に生じる諸問題をガバナンスという視点から研究し、その成果を社会に発信していく特定非営利活動法人「医療ガバナンス研究所」による学会。「官でない公」を体現する次世代の研究者の育成を目的とし、全国の医療従事者が会員として名を連ねている。

著者紹介

連載医療従事者が本音で語る「日本社会」の現状~GGO For Doctor

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