(※画像はイメージです/PIXTA)

デジタル・ヘロインと称されるインターネット依存、ゲーム依存は、覚醒剤や麻薬中毒と同様に脳に悪影響を与えるという。精神科医の和田秀樹氏は、その泥沼から抜け出す方法について、著書『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)で解説しています。

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ネットは「逃げ場」になるか?

■SNSは「ひとつの場」として考える

 

自分の世界を増やすときには、できればネットの世界ではなく、リアルなところで世界を増やしていくことをおすすめしたいと思います。

 

ツイッターやフェイスブックといったSNSも、ひとつの世界とカウントできそうですが、生身で向き合ってする対話のほうが、よりいっそう、私たちの感情に訴えかけるものがあるからです。

 

・相手の表情。

・声のトーン。

・目線の動き方。

・身振り、手振り。

 

私たちの脳では、こうしたもろもろの情報を総合的に判断して、相手の感情のありかを探ります。話に共感してくれているのか、反対意見があるのか、親身になって聞いてくれているのか、聞き流しているだけなのか。

 

新型コロナウィルスの影響で浸透したオンライン飲み会ならまだしも、インターネットのなかの文字のコメントだけでは、どうしても相手の感情をリアルに感じ取ることに限界があります。

 

そして言語で表せない、こうした非言語的反応から自分の対応を変えていくことも可能です。

 

たとえば言葉に賛成していても不機嫌そうにしていたら、そのフォローも可能になるのです。それに、あまりにSNSにハマってしまうとネット依存を生み出すリスクがありますが、生身の人間に対して依存症になることはありません。

 

SNSはあくまで趣味のひとつ。それをひとつの「場」とカウントしてもいいですが、リアルの世界でも「場」を増やすようにしてください。

 

実際、コロナ自粛のもとZoomのミーティングがさかんになりましたが、カメラを切らないことを求められるのも、話していることの内容だけでなく表情を見てのほうが読み込むからという側面もあるのです。

 

■子どもたちに忍び寄る「スマホ依存」

 

スマホの普及とともに、近年は若年層でのスマホ所有率がグングン伸びています。

 

東京都の2020年の調査では、中学生で75.44パーセント、高校生で92.4パーセントもの人がスマホを所有しているそうです。

 

であれば、子どもたちにとっても「家庭」や「学校」のほかに、「ネット」もひとつの「場」として考えられそうですね。しかし、子どもこそネットの扱いは注意しなければいけません。

 

というのも、厚生労働省がおこなった調査によると、「ネット依存の疑いが強い」とされた中高生は全国で7人に1人、14パーセント、93万人にも上ると推計されるからです。

 

・ネットをやめたいと思ってもやめられない。

・ネット以外のことへの意欲を失ってしまった。

・ネットのためにリアルの人間関係や、学校生活、部活動に支障をきたす。

・スマホがないとイライラしたり、感情が不安定になる。

・用もないのにつねにスマホを手にしている。

・ネットにのめり込んでいることを隠すために、大人にウソをつく。

・不安な気持ち、イヤな気持ちから逃げるためにネットを使う。

 

少し前までは、スマホ依存というと「ちょっとゲームにはまっている人」というくらいの見方しかされない場合もありましたが、現在では立派な依存症のひとつとカウントされています。

 

なんと、コカインや覚せい剤などの麻薬中毒患者で起きる脳の変異と同じようなものが、重度のネット依存の若者の脳でも起きているという研究結果まであるのです。

 

次ページ脳の発達途上の子どもには深刻な影響

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