「デキるリーダー、イマイチなリーダー」の決定的違い
危機下でメンバーの貢献行動を高めるうえで大切になるのがリーダーの存在です。以前の日本の会社では、次のようなチームマネジメントが主流でした。
●上層部の意向に従順
●指示・伝達がマネジメントの中心になってしまう
●正しい指示にこだわる
●メンバーにハッパをかける
上下関係と前例を重視した主従的なやり方をするリーダーが「リーダーシップのある人間」としてチームを統率していました。
しかしコロナ禍では逆にこのような采配がチームパフォーマンスを低下させていることが分かりました。その一方で、同じ混乱のなかにあってもチームパフォーマンスを維持・向上させているリーダーは次のような特徴をもっています。
●問題が発生すれば自分で考え行動する
●新たな環境に適応するための新しい方法を考える
●トライ&エラーで行動する
●メンバーに指示するのではなくメンバーの力を活かす
私たちは、前者を「指示・管理型」のリーダー、後者を「自律型・支援型」のリーダーと呼んでいます。
リーダーが問題解決策を考え、正しい指示を出すマネジメントはもはや限界を迎えています。チームパフォーマンスを発揮するにはメンバーの主体性を高めるマネジメントが必要不可欠ですが、単に指示を出すだけではメンバーの主体性は高まらないどころか、受け身的な人を増やしていきます。
重要なのは「力を活かす」ということです。指示・管理型のリーダーは指示や叱咤激励は得意でも、この力を活かすということが苦手です。
在宅ワークでなくメンバーがオフィスに集まっているのであれば、対面による密なコミュニケーションによって、メンバーの主体性が低くても、チームを動かしていくことは可能です。そのため指示・管理型のリーダーでも、なんとかマネジメントができていました。しかし在宅ワークでは日常的な声掛けが難しくなり、具体的な指示や細かい管理も困難になってしまいました。
一方で自律型・支援型のリーダーは、問題に対して自分で考え行動でき、それでいて自分一人では問題を抱え込まずメンバーの力を積極的に取り入れようとしていたため、メンバーの参加意識を高め、主体性を発揮させることができたのです。