(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ禍により、チームパフォーマンスが低下したと感じているリーダーが多いようです。筆者独自の調査によると、チームパフォーマンスを最大限に発揮できている組織はわずか30%。力を活かしきれず、「悪くはないが良くもない」というチームが増えているようです。多くの管理職・リーダーを悩ませる、「漠然としたチーム状態の悪さ」の原因を見ていきましょう。

「デキるリーダー、イマイチなリーダー」の決定的違い

危機下でメンバーの貢献行動を高めるうえで大切になるのがリーダーの存在です。以前の日本の会社では、次のようなチームマネジメントが主流でした。

 

●上層部の意向に従順

●指示・伝達がマネジメントの中心になってしまう

●正しい指示にこだわる

●メンバーにハッパをかける

 

上下関係と前例を重視した主従的なやり方をするリーダーが「リーダーシップのある人間」としてチームを統率していました。

 

しかしコロナ禍では逆にこのような采配がチームパフォーマンスを低下させていることが分かりました。その一方で、同じ混乱のなかにあってもチームパフォーマンスを維持・向上させているリーダーは次のような特徴をもっています。

 

●問題が発生すれば自分で考え行動する

●新たな環境に適応するための新しい方法を考える

●トライ&エラーで行動する

●メンバーに指示するのではなくメンバーの力を活かす

 

私たちは、前者を「指示・管理型」のリーダー、後者を「自律型・支援型」のリーダーと呼んでいます。

 

リーダーが問題解決策を考え、正しい指示を出すマネジメントはもはや限界を迎えています。チームパフォーマンスを発揮するにはメンバーの主体性を高めるマネジメントが必要不可欠ですが、単に指示を出すだけではメンバーの主体性は高まらないどころか、受け身的な人を増やしていきます。

 

重要なのは「力を活かす」ということです。指示・管理型のリーダーは指示や叱咤激励は得意でも、この力を活かすということが苦手です。

 

在宅ワークでなくメンバーがオフィスに集まっているのであれば、対面による密なコミュニケーションによって、メンバーの主体性が低くても、チームを動かしていくことは可能です。そのため指示・管理型のリーダーでも、なんとかマネジメントができていました。しかし在宅ワークでは日常的な声掛けが難しくなり、具体的な指示や細かい管理も困難になってしまいました。

 

一方で自律型・支援型のリーダーは、問題に対して自分で考え行動でき、それでいて自分一人では問題を抱え込まずメンバーの力を積極的に取り入れようとしていたため、メンバーの参加意識を高め、主体性を発揮させることができたのです。

次ページ「時代変化に適応できるリーダーシップ」が必要

※本連載は、橋本竜也氏の著書『チームパフォーマンスの科学』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学

TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学

橋本 竜也

幻冬舎メディアコンサルティング

「科学的アプローチ」でチームパフォーマンスを客観的に評価する! 一人ひとりの社員は優秀なのに、チームパフォーマンスが上がらない…。そんな悩みを抱える管理職・リーダー層に向けた、待望の一冊。 マネジメントにお…

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