(※画像はイメージです/PIXTA)

同調圧力は、疎外感に弱い人からかかるのです。孤独に弱っている人を敏感に見つけ出し、からめとる。まるで免疫力が弱った人に襲いかかるウイルスみたいです。それに対して、自分の居場所がたくさんある人は、それだけ孤独への免疫力を手にできます。居場所が多い人ほど、同調圧力に屈しないといいます。

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それでも「好かれよう」「嫌われたくない」と思う人へ

■「同調圧力」に弱い人の特徴

 

じつは、「好かれよう」「嫌われたくない」と過剰に思わないというのは、同調圧力がかかりにくいということでもあります。

 

同調圧力というのは、疎外感に弱い人からかかるのです。孤独に弱っている人を敏感に見つけ出し、からめとる。まるで免疫力が弱った人に襲いかかるウイルスみたいです。

 

孤独に弱い人は、簡単に同調圧力のカモにされてしまう。

 

でも、自分の居場所がたくさんある人は、それだけ孤独への免疫力を手にできます。居場所が多い人ほど、孤独へのリスクヘッジができていることになるのです。

 

ただし、ここでひとつ要注意。同調圧力に屈しないというのは、何でもかんでも人の意見に反対するということではありません。

 

「自分はこう思う」と意見を言うことは大いに結構なのですが、「自分が正しいとはかぎらない」という自戒だけはつねに持っておくべきです。

 

同調圧力がかかりにくい孤独耐性の強い人ほど、自分の意見をはっきりと述べる傾向にありますが、「自分だけが正しい」という姿勢では、人との関係性は深まりません。むしろ敬遠されたり、煙たく思われたりするでしょう。

 

世の中に「絶対に正しいこと」ということは、ほとんどありません。

 

科学の世界、医療の世界でさえ、数年前に正しいと思われていたことが現在は否定されているというようなことは珍しくないのです。

 

「面白い人だな」「斬新な考え方をする人だな」と好意的に受け止めてもらうには、自分の意見を主張するばかりでなく、相手の意見も尊重しなければならない。相手のことを受け入れて、はじめて自分のことも受け入れてもらえるのです。

 

自分に意見があるときは、つい「いや……」「でも……」「ていうか……」「いや、そういうことじゃなくてさ……」などと相手の意見を否定してしまいがちです。そういうときのために、同意も否定もしない言い回しを覚えておくといいでしょう。

 

「そうかもしれないね」
「なるほど、君はそう考えるんだ」

 

そう言っておいて、ひとりになったときに相手が言ったことをじっくりと考えてみればいいのです。相手への理解が深まると同時に、自分への理解も深まっていくはずです。

 

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※本連載は精神科医である和田秀樹氏の著書『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

孤独と上手につきあう9つの習慣

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