世界経済を振り回す「原油価格」…決定のしくみと暴落の可能性を考える ※画像はイメージです/PIXTA

原油価格の動きは、世界経済におけるインフレ率、金融政策、株価等に影響を及ぼすことから、各国も極めて重要な問題として注視しています。しかしなぜ、産油国は複数あるのに、原油価格は絶妙な高値でほぼ安定推移しているのでしょうか。その理由と、暴落の可能性について、経済評論家の塚崎公義氏が平易に解説します。

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原油の先物価格は「需給」と「投機」で決まる

原油価格の基準はニューヨークで取引されている先物の価格ですが、先物価格は原油の需給と投機で決まります。投機は思惑ですから、投機家たちが「需給が緩みそうだ」と考えれば、価格が暴落する可能性は十分にあるといえます。

 

原油価格の動きは、日本の産業にとっても消費者にとっても大変重要なだけでなく、世界のインフレ率に影響するほか、世界の金融政策に影響し、ひいては現在の世界的株高傾向にも影響するかもしれない重要な問題なのです。今回は、原油価格が暴落する可能性について考えてみましょう。

産油国の協調が崩れれば、暴落の可能性も

現在、産油国は協調して生産量を絞ることによって価格を吊り上げています。カルテルですね。もっとも、カルテルは維持するのが容易ではないので、「カルテル破り」が横行して原油供給量が増加し、価格を暴落させる可能性があるわけです。

 

皆がカルテルを守っていると、原油価格が高止まりするので、「自分だけがカルテルを破って増産すれば巨額の利益が得られる」と皆が考えますし、誰かがカルテルを破ると、自分だけが守っているのがバカらしくなって自分も守らなくなるわけです。

 

要するに、各国が「相手が約束を守ろうと破ろうと、自分は約束を破ったほうが得だ」という「囚人のジレンマ」状況にあるわけです。囚人のジレンマについては、初心者向けの解説を後述しているのでご参照下さい。

 

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経済評論家

1981年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の仕事に従事したのち、2005年に退職して久留米大学へ。2022年4月に定年退職し、現在は経済評論家。

著書に、『老後破産しないためのお金の教科書―年金・資産運用・相続の基礎知識』『初心者のための経済指標の見方・読み方 景気の先を読む力が身につく』(以上、東洋経済新報社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)、『経済暴論』『一番わかりやすい日本経済入門』(以上、河出書房新社)、『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』『なぜ、バブルは繰り返されるか?』『大学の常識は、世間の非常識』(以上、祥伝社)など多数。

趣味はFacebookとブログ。

著者紹介

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