(※写真はイメージです/PIXTA)

街を歩くとき、お祭りのなかを進むとき、車を走らせるとき……ふと目に付くのは「お店の看板」。実はシチュエーション別に、緻密な戦略が立てられているのです。本記事では、看板製作会社「有限会社オチスタジオ」の代表・越智一治氏が、看板に秘められたマーケティング方法について解説していきます。

お祭の屋台「焼きそば」「ヨーヨー」に秘められた事実

■道行く人の視線を考える

 

2つ目のポイントは、看板の向きです。

 

看板は、見る人に対して正面になるように設置するのが理想です。例えば、道を歩いている人は進行方向を向いて歩いています。基本的には前を見て歩いているわけですので、道に対して平行に据え付けられている看板は、歩いている人から見えづらく、店の前に来るまで気づかれなかったり、気づかれずに素通りされたりすることがあります。

 

そのため、道行く人に看板を見てもらうためには、道と店の向きに対して垂直になる袖看板などを使うのが有効です。または、店前にスタンド看板などを置き、文字を書いた面を歩行者から見える向きにすることもできます。

 

最も一般的な、平面のプレートで作るものを平看板と呼びます。店頭の看板が平看板の場合は、入り口にテント看板を据え付けて、横面にも店名や業態などを書いてアピールすることができます。

 

分かりやすい例が、お祭の屋台です。

 

屋台の上部には、正面と横面に「ベビーカステラ」「焼きそば」「ヨーヨー」などと書かれています。左右からもどんな店か分かるようにして、縁日を歩いて来る人たちに店をアピールしています。同様の発想で、平面的な店のファサードも、テント看板を歩道に突き出し、店の存在をアピールすることができるわけです。

 

看板の向きを、人の流れに合わせて変えるということも重要です。駅前を例にすると、朝は住宅街から駅に向かって人が流れます。昼間は駅に向かう人と住宅街に向かう人が同じくらいになり、夕方以降は駅から住宅街に向かって人が流れます。

 

この流れを踏まえて、例えば、片面の立て看板は、朝は住宅街から来る人に向け、夕方は駅から来る人に向けます。このような小さな工夫も、お客さんに見てもらうための取り組みとして重要なポイントです。

次ページ「ロードサイドの看板」緻密に計算されつくしていた!

※本連載は、越智一治氏の著書『看板マーケティング戦略』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

看板マーケティング戦略

看板マーケティング戦略

越智 一治

幻冬舎メディアコンサルティング

ピーター・ドラッカーは、マーケティングの理想は「販売を不要にすること」であると言いました。 つまり、営業マンが売り込みに走り回らなくても、商品やサービスが「自ずから売れるようにすること」が究極のマーケティングだ…

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