コロナショックは健全経営されていた会社ほど経営インパクトを受けやすい。(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナショックによって、航空会社に突き付けられた課題の1つは、人々の移動を抑制し、できれば100%止めることが必要になりました。それは深刻な経営危機であると同時に救済される業界の位置づけも明らかになりました。※本連載は、後藤康之氏の著書『最強の外資系資産運用術』(日本橋出版、2021年4月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

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コロナショックの影響を受ける運輸セクター

■交通インフラ(破綻する航空会社)

 

航空にフォーカスをして、業界のトレンドを見ていきたいと思います。

 

まずコロナショックによって、突き付けられた大きな課題の1つは、これまでのグローバル化のトレンドに反して、人々の移動を抑制、できれば100%止めることが必要になったわけです。人々(もしくは貨物)の移動でビジネスをしていた運輸セクター、具体的に鉄道や航空会社は、業績への大きな負の影響を免れない、と考えられます。

 

鉄道や航空会社を含めた同セクターは、常に大きな修繕(メンテナンスの投資)を行い既存車両や機体、機材、施設の維持や安全運航につとめ、同時に新たな改善・投資(新規投資)を行いながら、旅客増、混雑分散(特急などを含めた複々線工事、航空のタイムスロット拡大等)、リスク回避(安全装置ボタンや事故防止ドア、呼吸マスク等)、そして全体(ブランドや魅力含めた)のバリューアップを行っています。

 

その代わりに、国家からの許認可や規制を受け、一定程度の収益を長期間にわたり享受できるというビジネスモデルの業態かと思います。様々な投資は複合的にかみ合っており、各投資の各リターンが見えるわけでわけでもありませんし、コロナショックにより人の移動が物理的、心理的に制限されたことで、同セクターのビジネスモデルの根幹が打撃を受け、会社からすれば投資やキャッシュフローの難しさを感じているのだろうと思います。

 

海外の航空会社を例に見ると、特にコロナショック以前までは好調なセクターであったことも災いとなり、その反動から国を代表する航空会社(Latam、タイ航空、ルフトハンザ航空、キャセイパシフィック航空など)が民事再生なり、公的支援をもらうなり、どのように資金不足を免れるよう、懸命に救済策を模索していたわけです(いくつか破綻整理ともなりましたが)。

 

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