中国が「配車サービスの展開に失敗している」明確な2つの理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

既存タクシー業界への「破壊的イノベーション」のはずだった、ライドシェア。しかしコロナ禍も加わり、本国である米国でも赤字事業から抜け出せていない。国際投資アナリストが著書『最強の外資系資産運用術』(日本橋出版、2021年4月刊)で解説します。

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コロナ禍がライドシェア事業を崩壊させた

■移動(モビリティ)の変化
(ソフトの現地化に加えて、積極的な業態変化がないと、結局は縮小業界)

 

タクシーやライドシェアにみられる、自動車を介した移動(モビリティ)の変化について、依然として前途多難であるな、と感じており、それについて書いてみます。

 

日本では米・ウーバーが2014年8月にいち早く上陸したが、所謂ライドシェア、と言われるサービスは、原則白タク扱いに近く、ビジネスモデルとしては、あまり成功とはいっておりません。またウーバーは中国でも展開していたが、最終的には中国発の配車アプリ、滴滴出行(ディディ)と合併しました。

 

そして滴滴出行はDiDi モビリティジャパンを設立、日本でソフトバンクと一緒に進出し、中国からのインバウンドを中心にサービス拡大を狙っていたが、結局インバウンド利用も2割程度に留まっていたようで、このコロナ時代に突入し、インバウンド激減に加えて、国内での需要減退もあり、2020年7月から提供規模を縮小すると決定したようです。似たような形で中国から来たレンタサイクル事業も日本に数社進出してきましたが結局撤退、となっております。

 

足元は、既存タクシー業界への破壊的イノベーションであったアプリを使ったライドシェア自体、コロナ禍も加わり、本国である米国でも赤字事業から抜け出せていないようです。

 

例として、楽天が米ウーバーの競合である、米リフト社の筆頭株主であり、楽天の三木谷社長はリフト社の取締役も務め、2019年の同社上場後は、楽天側で上場評価益を計上し、金融商品(純投資)から持分法へ変更させ、シナジーを含めて国を超えた、今後の協業を期待していたようでした。

 

しかし結局のところ、2020年になり、コロナ禍でリフト社の経営不振や当初想定のシナジーが見込めない、ということから、同氏のリフト社での取締役退任と再度金融商品へと変更になり、また純投資、に逆戻りしたそうです。

 

また話が少しズレますが、中国の滴滴は国際展開として、オーストラリアやメキシコ、ブラジルなどに進出しているものの、現地企業との競争激化で思うように存在感を発揮できずにいるようです。このように中国発のライドシェア企業が直面した壁は2つある、と言われています。それは、①進出先の市場ニーズや規制を十分に踏まえずに、②中国での成功体験をそのまま海外に持ち込む姿勢、と言われています。

 

日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
国際公認投資アナリスト(CIIA)
准認定ファンドレイザー(cfr)

1985年東京生まれ。東京育ちであるが、高校2年生から海外へ留学。2008年に米国・ブラウン大学を卒業後、中国・南京大学にて大学院へ進学し(国際関係学専攻)計8年海外で過ごす。日本へ帰国後、在京の外資系金融業界(証券会社と資産運用会社)にて計9年従事。株式と債券、PEや不動産を含むオルタナ投資等、 幅広い金融商品の経験もある。

学生時代のグローバルな体験に加えて、金融業界で養った知見、そしてコロナ禍での大きな環境変化を察知し、社会情勢や業界全体の動向(リサーチやSDGs等)、そして個別企業の財務分析や、日本のスタートアップ企業へのサポートなど取り組んでいる。

著者紹介

連載「資産寿命」を伸ばす最強の外資系資産運用術

※本連載は、後藤康之氏の著書『最強の外資系資産運用術』(日本橋出版、2021年4月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

最強の外資系資産運用術

最強の外資系資産運用術

後藤 康之

日本橋出版

日本の高齢化や年金2000万円問題を背景に、コロナ禍前から注目されていた『資産寿命』というテーマ。 加えて2020年の新型コロナという世界中に影響を与える大きな変化が起こったことで、個人レベルでの『資産寿命』を延ばす…

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