コロナとリニアの二重苦…JR東海を待ち受ける最悪シナリオ【国際投資アナリストが解説】 コロナショックは健全経営されていた会社ほど経営インパクトを受けやすい。(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナショックは鉄道各社に大きな影響を与えました。JR東海はコロナショック以外にリニア新幹線の建設が暗礁に乗り上げています。工期の延期による財務的な負担は重荷になってきます。最悪のシナリオは避けることができるのでしょうか。

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JR東海、日本初のリニア新幹線は視界不良

■交通インフラ(破綻できない?鉄道会社)

 

日本の社会インフラを支えてきた大きな存在の1つで交通もあるかと思います。この度は鉄道にフォーカスをして、業界のトレンドを見ていきたいと思います。

 

もう1つ、交通インフラの重要なパーツを担う鉄道。その中でも、With コロナ時代での収益悪化が続くとの見込みから、2020年8月にJR四国は運賃改定(収入上昇への最終手段)と、JR東日本が終電繰り上げ、という名の所謂減車・減便という(経費削減に近い)措置を取ると発表しました。

 

上場しているJR東日本、東海、西日本、九州などは新幹線という高い利益率を保つ路線を多く持っており(一番多いのは東海道新幹線を持つJR東海ですが)、JR東日本においては稼げる在来線(山手線・中央線)等もあります。

 

しかしコロナショックにより、人の移動が減少し、観光でも必ずしも新幹線を使わない、という思考へ変化していっているようです。たとえば同社の新幹線も2020年4ー8月の月次情報によると、乗客数は前年比30%にも届いておらず、乗客数減少が深刻化している模様です。

 

また上場していないJR北海道や四国など、元々地方で過疎化、人口減で収入減という長期的な下方トレンドの中で、同じく観光減少や人の移動減少の影響を大きく受け、既に取ってきた経費削減ではもう見合わない水準まで来ており、この度の運賃改定に動いている、ということです。

 

政府側も鉄道自体を、田舎の不採算ながらも守る必要のある交通インフラであると認識し、支えるような法律(鉄道軌道整備法に基づく欠損補助)などを用意してはいますが、現在はほぼ活用されていない、とのことです。このような措置から、航空会社とは違い、With コロナ時代においてもJR系の会社が破綻やデフォルト、ということまではならないかと思います。

 

しかし人の移動や集まりでビジネスをしていた企業にとって、With コロナの状況において、継続的な自助努力を長期的に行っていく必要があることは鉄道でも航空会社とも一緒でありますし、鉄道の場合はすぐに債務整理とは行かないので、破綻整理によって再生が早く収まるわけでもないのでしょう。

 

加えて、コロナショック以外にも、足元ではJR東海にとって想定外の事態が起こっています。それは従来の東海道新幹線の代わりとして商業利用へ工事を進めている、日本初のリニア新幹線が、最悪の事態として現実しないかもしれない、ということです。

日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
国際公認投資アナリスト(CIIA)
准認定ファンドレイザー(cfr)

1985年東京生まれ。東京育ちであるが、高校2年生から海外へ留学。2008年に米国・ブラウン大学を卒業後、中国・南京大学にて大学院へ進学し(国際関係学専攻)計8年海外で過ごす。日本へ帰国後、在京の外資系金融業界(証券会社と資産運用会社)にて計9年従事。株式と債券、PEや不動産を含むオルタナ投資等、 幅広い金融商品の経験もある。

学生時代のグローバルな体験に加えて、金融業界で養った知見、そしてコロナ禍での大きな環境変化を察知し、社会情勢や業界全体の動向(リサーチやSDGs等)、そして個別企業の財務分析や、日本のスタートアップ企業へのサポートなど取り組んでいる。

著者紹介

連載「資産寿命」を伸ばす最強の外資系資産運用術

※本連載は、後藤康之氏の著書『最強の外資系資産運用術』(日本橋出版、2021年4月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

最強の外資系資産運用術

最強の外資系資産運用術

後藤 康之

日本橋出版

日本の高齢化や年金2000万円問題を背景に、コロナ禍前から注目されていた『資産寿命』というテーマ。 加えて2020年の新型コロナという世界中に影響を与える大きな変化が起こったことで、個人レベルでの『資産寿命』を延ばす…

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