(※写真はイメージです/PIXTA)

リハビリ専門デイサービス「リタポンテ」を運営する筆者らは、自宅のリフォームや介護支援の内容、介護用品選びは「高齢者の身体機能ファースト」で選ぶことが重要であると語ります。高齢になるほど、足腰の痛みや体力、筋力などの低下が現れますが、身体に負担をかけないようにと活動量を減らせば身体機能は弱る一方。自力でできることも減っていき、次第に寝たきりになってしまうのです。自宅で介護を行う場合、どれくらいお金をかけるのが正解なのでしょうか? ※本稿の内容は、2021年度の介護保険法などに基づいています。

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「1年間の介護費用」は医療費も含めて100万円以上!?

実際に介護をするとなったら、どれぐらいのお金がかかるのでしょうか?

 

公益財団法人生命保険文化センターの調べによると、手すりをつけたり、介護用ベッドを購入したりする、住宅改造・介護受け入れ準備のための一時費用の合計額の平均は69万円です。また、毎月の介護にかかる費用の平均額は介護保険の自己負担分を含めて7.8万円、全体の3割以上は10万円以上となっています【図表】

 

※参照:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/2018年度
【図表】介護費用はこれだけかかる! ※参照:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/2018年度

 

私自身、父親の介護の準備を始めるにあたって、本人が病院でリハビリを行っている間に、まず自宅のリフォームにとりかかりました。

 

父はパーキンソン病を発症し、パーキンソン病には手足の震えや、歩行困難などの症状があるため、自宅で車いすを利用する必要があり、暮らしていくうえでは、どうしても屋内と車庫のスロープをリフォームをしなければならなかったのです。

 

そして、その後の介護費用は、要介護3~5の段階からは限度額を超える月もあり、入院、検査などの医療費も含めて、年間で100万円以上かかりました。

 

医療費については、父の医療費を自分の世帯の医療費と合算して計上し、節税することにしました。法的にも問題はなく、それによって所得税が軽減されるので、その分をまた別の介護に関する支出に充てることができます。

 

また、費用面において介護保険の限度枠を超えてしまうと10割負担になります。限度額を超えたとき、もし「訪問看護や訪問リハビリ」をケアプランに入れてもらっていた場合などは、ケアマネジャーや訪問の医療専門職などに相談し、かかりつけ医の指示の下、看護とリハビリを医療保険で利用できるようにしてもらってみてください。

 

そうすることで、介護保険の限度枠に余裕ができ、自費で支払わなくてはならない分を、介護保険適用枠にすることも可能となります。

次ページ平均69万円もの「一時的な費用」は本当に必要か?
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神戸 利文
上村 理絵

アスコム

青信号で道を渡り切れず、怖くて買い物にも行けない。 トイレに間に合わず、オムツを重ね履きしている。 長期間の寝たきり生活を送り、家族に迷惑をかけているのが申し訳ない…。 間違った介護と医療で、急激に身体が弱っ…

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