リハビリを「頑張れる高齢者、諦めてしまう高齢者」の決定的差 (※写真はイメージです/PIXTA)

健康寿命を伸ばし、寝たきりの期間を短くするためには、リハビリによって身体機能を維持することが重要です。とはいえ、身体機能の低下に伴い、動くこと自体が億劫になってしまう人や、リハビリが辛くて継続できない人、そもそもリハビリに通うことへの抵抗感が強い人もいるでしょう。リハビリ専門デイサービス「リタポンテ」を運営する筆者らが、リハビリを効果的に受けるためのコツを紹介します。

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「リハビリを嫌がる人」への上手な「誘い方」

リハビリに誘うときは、「家族以外の第三者」が声掛けする

誰もが、リハビリを始めるのに積極的なわけではありません。

 

リハビリを受けるのを嫌がる人も、少なからずいます。そうした人にリハビリを受けてもらうには、ちょっとしたコツが必要です。

 

実は、リハビリを受けたがらない人は、リハビリそのものではなく、障がい者、高齢者扱いをされて、デイサービス(ケア)に通わなければならない、施設名が外側に大きく書かれた送迎車に乗らなければならないということに、抵抗を感じています。

 

よって、リハビリを開始するためには、まずデイサービス(ケア)施設に足を運んでもらうことが、最初のハードルとなります。

 

デイサービス(ケア)に行くことを嫌がる人は、家族、身内にすすめられても、なかなか首を縦に振りません。

 

だからといって、無理強いしたり、本人の自尊心を傷つけるような言葉で誘ったりするのは逆効果です。

 

そんなときには、客観的な立場の第三者にすすめてもらうと、意外なほど素直に聞き入れてくれることがあります。具体的には、まず、ケアマネジャーにお願いするとよいでしょう。

 

■最初は「デイサービス」という言葉を使わない

そして、ケアマネジャーにお願いするときには、「デイサービス(ケア)に行く」という言い方をしないように伝えてください。「デイサービス(ケア)」というと、どうしても一般的なレクリエーション偏重型の施設をイメージしてしまうため、特に男性はそれだけで敬遠しがちです。

 

デイサービス(ケア)という言葉は使わず、リハビリを受けられるところに行くのだと、目的を明確にしておきましょう。

 

■リハビリ施設を選ぶなら「理学療法士が常駐していること」が必須条件

実際にリハビリを受けるにあたって、一番大切なのは、PT(Physical Therapist:理学療法士)が常駐している施設を選ぶことです。

 

なんといっても、身体は正直です。正式にリハビリを学んだPTの指導の下なら、いくつかの動きを試すだけで、自分の身体がいかに弱っているかを実感することができます。

 

さらに、続けて簡単なリハビリを受ければ、その場で身体がラクになるのを感じることもできるでしょう。

 

たとえば、痛みがあり、曲がらない脚に対して、PTは身体全体にアプローチしながら、あえて脚が痛みを感じる方向に力を加えることがあります。素人目には少々心配に映るかもしれませんが、筋緊張がとれ、本人はぐっと身体がラクになるのです。

 

初めての体験通所でそうした経験をすれば、その効果を認めやすく、その後もリハビリを続けられる可能性が高まります。

 

また、端から見ていても、明らかに身体の動きがよくなるので、同行した家族も、それまで以上に自信を持って、本人にリハビリを受けることをすすめられるでしょう。

 

自分の身体のことをちゃんと理解してくれていると感じられるPTの存在が、本人にとっても、家族にとっても、リハビリを続ける大きなモチベーションになるのです。通所をどうしても嫌がる人には、最初の一度だけ、PTに自宅に来てもらえるようにお願いすれば、それがリハビリを始めるきっかけになるかもしれません。ぜひ施設の方に相談してみてください。

リハビリ専門デイサービス「リタポンテ」 代表取締役 

1965年生まれ。三重短期大学卒業。合弁会社・株式会社保険市場の代表取締役を務めるなど、保険業界を中心に活躍をしていた中、親の介護の実体験がきっかけとなり「理学療法士によるリハビリテーション」「日本で初めて介護保険分野で受けられるサービス」を世に誕生させた誠和医科学(現・ポシブル医科学株式会社)と出会う。

生活期のリハビリの重要性を説く考えに共感し、同氏が代表を務めていたポシブル医科学株式会社その経営に参画した。

同社を退任後、生活期のリハビリが不毛不足する東京、関東圏に進出するため、リタポンテ株式会社を設立。リハビリ専門デイサービス、リタポンテを新宿区で開業。「日本から寝たきりをなくすために、おせっかいを科学する」を合言葉に、リハビリを中心にした介護サービス事業を展開する。

著者紹介

リハビリ専門デイサービス「リタポンテ」 執行役員兼事業部長
理学療法士 

1974年生まれ。中京女子大学(現・至学館大学)卒業後、関西女子医療技術専門学校理学療法学科(現・関西福祉科学大学)を経て、理学療法士として活動。

塩中雅博氏のポシブル医科学株式会社の創業を支援。およそ10年間で、のべ16万人に生活期のリハビリを提供し、そのビジネスモデルの骨格を現場で作り上げてきた。同社退任後、神戸とともに、リタポンテ株式会社を立ち上げ、理学療法士の立場から、「高齢者に本当に大切なリハビリ」を提供している。

著者紹介

連載家族も本人も後悔しない、介護の「答え」

道路を渡れない老人たち リハビリ難民200万人を見捨てる日本。「寝たきり老人」はこうしてつくられる

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神戸 利文
上村 理絵

アスコム

青信号で道を渡り切れず、怖くて買い物にも行けない。 トイレに間に合わず、オムツを重ね履きしている。 長期間の寝たきり生活を送り、家族に迷惑をかけているのが申し訳ない…。 間違った介護と医療で、急激に身体が弱っ…

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