見逃さないで…「寝たきり状態」が近づく「危険なタイミング」 (※写真はイメージです/PIXTA)

健康寿命を伸ばし、寝たきりの期間を短くするためには、リハビリによって身体機能を維持することが重要です。足腰の痛みや、体力の低下を「年齢のせい」と放置してはいけません。リハビリ専門デイサービス「リタポンテ」を運営する筆者らが、幸せな老後を送るために知っておきたい、「寝たきりの危機が間近に迫っているタイミング」を解説します。

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身体能力の低下を「年齢のせい」で片づけてはいけない

「人間は身体が資本」とよくいわれますが、高齢者になると、特にその言葉は重みを増してきます。足腰が弱って買い物ができなくなったり、トイレに行けなくなったり、できることが身体能力によって限られてきます。

 

ですから、自分でできることをなるべく減らさないためには、自分の身体の状態をしっかりと確認し、できるだけ早めに自分や家族の身体の状態を知ることが大切です。

 

なぜむくみがとれないのか? なぜ休み休みでないと歩けないのか? なぜ腰や膝が痛いのか? それらには必ず原因があります。「年のせい」で片づけないでください。

 

そうして、身体の状態を評価してくれるセラピストがいる事業所をケアマネジャーに聞き、身体機能の維持に努めるためのリハビリをすることです。

 

特に、次の2つのような「寝たきりの危機が間近に迫っているタイミング」の方は、注意が必要です。

危険なタイミング①:「要介護3」になったとき

1つは、要介護状態区分でいう「要介護3」になったときです。「要介護3」とは、自立歩行が困難で、杖・歩行器や車いすを利用している人、日常生活動作に関して、毎日何らかの部分で全面的に介助が必要な状態の人とされています。

 

食事介助、トイレ介助などが必要になったら、寝たきりの時期がもうそこまで近づいていると考えてよいでしょう。

 

とにかくリハビリに注力して、少しでも寝たきりの時期を遅くする必要があります。

危険なタイミング②:一人暮らしになったとき

そして、もう1つは、一人暮らしになったときです。

 

現在は、高齢者が高齢者を介護する老老介護が増えています。

 

老老介護では、どちらもがデイサービスや訪問リハビリを利用しながら、支えあって介護をしているケースがよく見受けられます。

 

こうしたケースでは、介護をしている人が何らかの理由で入院などをすると、残されたもう1人が寝たきりになる可能性が非常に高まるので、注意が必要です。

 

子どもがいる人なら、その子どものもとで過ごすことになるかもしれません。

 

しかし、子どもが遠方に住んでいたり、介護する手が足りなかったりして一緒に住むのが難しい場合には、支える人がいなくなるわけですから、1人で生活ができないと判断され、ケアマネジャーの判断によって、おそらくショートステイを利用することになるでしょう。

 

■安易な「ショートステイ利用」によって身体機能が低下

ショートステイとは、特養、老健、介護療養型医療施設に短期間入所して、食事や入浴などの介護を受けられるサービスです。

 

ショートステイは最大で30日間までしか利用できません。その後、まだ一人暮らしが続く場合は、子どもと一緒に暮らせるようになればよいですが、そうでなければ、別の介護保険施設を転々とするか、あるいは2018年に創設された介護医療院に入所するのか、どちらかの形をとらざるをえないでしょう。ただし、介護医療院に入所している人の2019年の寝たきり率は約95%もあるのです。

 

いずれにしても、それらの施設では、質・量ともに十分なリハビリを受けられないどころか、ほとんど身体を動かさずに過ごすことになります。

 

そこで30日も過ごせば、起き上がるのは難しくなり、それがきっかけで、介護区分が進んでいったり、寝たきりの生活が始まるというケースも多く見受けられるのです。

健康寿命を伸ばすには「活動量」を増やすこと

繰り返しになりますが、とにかく高齢者の身体機能の維持、ひいては幸せな老後を送るためには、とにかく活動量を減らさないことです。

 

介護を必要としている人の活動量が減る原因はさまざまですが、たとえばパートナーを亡くしたり、うつになったりするなどの精神的な落ち込みがきっかけとなることも少なくありません。

 

痛みがあるから動かない。何もやる気が起こらず、身体を動かさなくなる。

 

身体を動かさないから、筋肉を使わない。筋肉を使わないために、基礎代謝が低下する。

 

基礎代謝が低下することで、食欲が出ず、食事をとらなくなる。

 

食事をとらないから、栄養が十分でなく、体力が落ちる。体力が落ちて、ますます身体を動かしにくくなる…。

 

こうした悪循環に陥れば、誰でも寝たきりになってしまいます。

 

活動量が減ると動かなくなるのは、身体だけではありません。

 

外出の機会が減ることによって、人と会わず、話さなくなるので、頭の働きも鈍ってきます。

 

 

活動量が減ることによる筋力低下、低栄養、社会交流機会の減少は、身体機能や脳を衰えさせ、認知症、寝たきりに直結する3大リスク要因ともいえるのです。

 

ですから、そもそも一人暮らしになったときでも、1人で活動できるような身体能力を維持しておくことは、何より大切ですし、はなから1人で生活をするのは無理だと決めつけ、「1人になったらショートステイ」という選択肢を安易に選ばずに、身体をしっかりと動かせる生活が送れないか、自分で情報を集めたり、専門職に聞いたりするなどして、検討してほしいのです。

 

 

神戸 利文

リタポンテ 代表取締役

 

上村 理絵

リタポンテ 執行役員兼事業部長、理学療法士

 

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リハビリ専門デイサービス「リタポンテ」 代表取締役 

1965年生まれ。三重短期大学卒業。合弁会社・株式会社保険市場の代表取締役を務めるなど、保険業界を中心に活躍をしていた中、親の介護の実体験がきっかけとなり「理学療法士によるリハビリテーション」「日本で初めて介護保険分野で受けられるサービス」を世に誕生させた誠和医科学(現・ポシブル医科学株式会社)と出会う。

生活期のリハビリの重要性を説く考えに共感し、同氏が代表を務めていたポシブル医科学株式会社その経営に参画した。

同社を退任後、生活期のリハビリが不毛不足する東京、関東圏に進出するため、リタポンテ株式会社を設立。リハビリ専門デイサービス、リタポンテを新宿区で開業。「日本から寝たきりをなくすために、おせっかいを科学する」を合言葉に、リハビリを中心にした介護サービス事業を展開する。

著者紹介

リハビリ専門デイサービス「リタポンテ」 執行役員兼事業部長
理学療法士 

1974年生まれ。中京女子大学(現・至学館大学)卒業後、関西女子医療技術専門学校理学療法学科(現・関西福祉科学大学)を経て、理学療法士として活動。

塩中雅博氏のポシブル医科学株式会社の創業を支援。およそ10年間で、のべ16万人に生活期のリハビリを提供し、そのビジネスモデルの骨格を現場で作り上げてきた。同社退任後、神戸とともに、リタポンテ株式会社を立ち上げ、理学療法士の立場から、「高齢者に本当に大切なリハビリ」を提供している。

著者紹介

連載家族も本人も後悔しない、介護の「答え」

道路を渡れない老人たち リハビリ難民200万人を見捨てる日本。「寝たきり老人」はこうしてつくられる

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神戸 利文
上村 理絵

アスコム

青信号で道を渡り切れず、怖くて買い物にも行けない。 トイレに間に合わず、オムツを重ね履きしている。 長期間の寝たきり生活を送り、家族に迷惑をかけているのが申し訳ない…。 間違った介護と医療で、急激に身体が弱っ…

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