(写真はイメージです/PIXTA)

不動産法務に詳しいAuthense法律事務所の森田雅也弁護士が賃貸物件の大家さん・不動産オーナーが遭遇するよくあるトラブルとその対処方法、未然に防ぐためのポイントを解説します。

大家さんは知っておくべき!入居者の規約違反への対応

賃貸物件で大家さんが知っておくべきトラブルとして、入居者の規約違反も挙げられます。

 

規約違反の例としては、例えば無断で転貸する、ペット禁止の物件でペットを飼育する、単身用の物件で勝手にルームシェアする、住居用の物件で営業を行うなどがあります。

 

では、こういった場合にはどのように対処すれば良いのでしょうか? 対処法と予防方法について解説します。

 

規約違反をされた場合の対処法

 

規約違反が起きてしまった場合は、次のように対応しましょう。違反状況の確認をして入居者に連絡するまずは、実際に違反状況が発生しているのかどうか確認することから始めてください。違反が確認できたら、違反状況を是正するよう入居者に連絡をします。

 

なお、いくら大家さんとはいえ、火災などの緊急時以外に無断で居宅内に立ち入ることはできません。留守中に合鍵を使うなどして居宅内へ侵入すると罪に問われる可能性がありますので、無断での侵入は行わないようにしましょう。

 

■内容証明郵便を送付する

 

違反状況を是正すべき旨を連絡した後も違反の状態が続く場合は、内容証明郵便を送付します。この時点から弁護士へ相談し、弁護士から内容証明郵便を送付してもらうと良いでしょう。

 

■契約の解除と退去の通知をする

 

内容証明郵便に記載の期日までに是正されない場合は、賃貸借契約を通知し、物件の明け渡しを請求します。違反内容や契約内容によっては違約金の請求も可能です。

 

■訴訟をする

 

契約解除後も明け渡しせず居座り続ける場合は、訴訟へと移行し、最終的には強制執行にて退去させることとなります。

入居者による規約違反を防ぐためには

では、入居者の規約違反はどのように予防すれば良いでしょうか? 規約違反を防ぐために考えられる方法を紹介します。

 

■規約を周知する

 

規約違反を防ぐため、規約を入居者に周知するようにしましょう。違反してしまう入居者の中には、違反であるとの認識がない場合もあるためです。

 

入居時に賃貸借契約書は交付していたとしても、契約書をきちんと読んでいない入居者や、入居時に受けた説明を忘れてしまう入居者も少なくありません。

 

そのため、してはいけないことは契約書とは別の書面でわかりやすくまとめて交付したり、物件内の掲示板に掲示したりするなどして、改めて規約を周知することをおすすめします。

 

■違反した場合のペナルティを周知する

 

規約違反となる事項と併せて、違反した場合には違約金が請求されたり退去となったりする可能性がある旨も周知しておくと良いでしょう。違反した場合のペナルティを知ることで、安易な規約違反を防ぐことにつながります。

 

■規約違反を発見したらすぐに対処する

 

規約違反を発見した場合は、すぐに対処するようにしましょう。すぐに対処しないと、規約違反が長期化してしまったり、規約違反をしても問題ないとの認識が入居者内で広がり他の入居者までが規約違反をしてしまったりする可能性があるためです。

 

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本記事はAuthense不動産法務のブログ・コラムを転載したものです。

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