(※写真はイメージです/PIXTA)

技術コンサルタント、心理カウンセラーである永嶋良一氏は書籍『心理学で職場の人間関係の罠から逃れる方法』のなかで、職場での苦いやり取りを赤裸々に語っています。本記事で紹介するのは、化学プラントの仕事をしていた際、「先輩がミスを大騒ぎした」という事態。あなたならどうしますか?

「Xさん、ここの温度、間違っていますよ」に酷い返答

あまりにも基礎的な箇所でしたので、まさかそんなところが間違っているとは夢にも思わず、いままで気がつかなかったのでした。

 

これで、やっと原因がわかりました。

 

その原因は、先輩が1ヵ所、初期条件の温度を間違えて計算していたという実に単純なミスだったのです。

 

私は、先輩に「Xさん、ここの温度、間違っていますよ。ここを正しい温度にしたらプロジェクトはうまくいきますよね」と尋ねました。先輩はなかなか口を開きませんでした。しかし、私が何度も聞いていると、ついに「そりゃ、うまくいくだろう」と一言だけ、いやいや口を開いたのです。

 

それから、その先輩は「永嶋の計算は間違っている」とは一切言わなくなりました。

 

しかし、いままであんなに大騒ぎをして、私の計算が間違っていると言ってきたのに、先輩は、それについては一切触れることはなく訂正もしませんでした。

 

間違いは誰にもありますので、私に謝罪をしていただきたいとは一切思いませんでしたが、あれだけ大騒ぎをしたわけですから関係者には「いや、すまない。自分の計算が間違っていた。永嶋の計算で問題ない」と一言だけでよいので、話をしてほしかったと思います。

 

しかし、その先輩は、その後はだんまりを決め込んで、あれだけ騒がした周囲の人たちにも一切説明を行いませんでした。私のほうから周りの人に「先輩の計算が間違っていた」というのも気が引けましたので、私からは周りの人たちには説明を行いませんでした。

 

結局、周りの人たちは、どちらが正しいのか、さっぱりわからないまま、プロジェクトの進行を見つめるという状態が最後まで続いたのです。

 

そして、結論から言うと、そのプロジェクトは私の計算通りに、うまくいきました。

 

ただ、私はその先輩のために、ものすごいストレスを何ヵ月も受け続けたわけです。いくら先輩でも、あんなに頭を下げて「間違っているところを教えてください」と頼んでいるのにまったく無言で、コンピューターの計算用紙を投げて寄こすという行為は、失礼の極みと言うしかありません。

 

もし、最初に聞いたときに、先輩が口を開いて、自分はここが間違っていると思うと話をしてくれていたならば、おそらく、すぐにそこの温度の前提条件が間違っていることが判明したでしょう。ただ、それだけのことをしてくれなかったために、私は何ヵ月にもわたって、もがき苦しむことになったのです。

 

その何ヵ月間、何回計算をやり直したことか、またそのために何度徹夜したことか、それを思うと、その先輩にはものすごく腹が立ちました。先輩に「Xさん。みんなに、ちゃんと口で説明していただけませんか」と頼んだのですが、それを言っても、一切無言を通されて、結局は、私のストレスが増すばかりでした。

 

・自分は関係ないのに、人の仕事で失敗を見つけたと思ったら騒ぎ出す

・理由を聞いても一切無言で教えてくれない

・何ヵ月もかけて、やっと、その人の間違いが判明しても、謝りもしないし無言を通す

・あれだけ大騒ぎしたのに、周りに「あれは間違いだった」とは絶対に言わない

 

あなたの職場にも、このような迷惑とストレスをばらまく「迷惑人間」はいませんか?

※本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『心理学で職場の人間関係の罠から逃れる方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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