(※写真はイメージです/PIXTA)

技術コンサルタント、心理カウンセラーである永嶋良一氏は書籍『心理学で職場の人間関係の罠から逃れる方法』のなかで、職場での苦いやり取りを赤裸々に語っています。本記事で紹介するのは、化学プラントの仕事をしていた際、「先輩がミスを大騒ぎした」という事態。あなたならどうしますか?

鬼の首を取ったように喚く…「大騒ぎ」ゲームのだるさ

■どのように解決したらよいのか

 

さて、これはどのようなゲームなのでしょうか? 実は、この先輩は私に「大騒ぎ」のゲームを仕掛けているのです。

 

「大騒ぎ」のゲームというのは、例えば学校の教師と生徒の関係でいうと、生徒が授業中に次のような行動をとって、教師の関心を引き、騒ぎを大きくしていくというものです。

 

それは、授業中にバーンと大きな音を立てて教室中の関心を引く、席から立ち上がって教室のなかをうろうろする、わざと周りのクラスメイトに話しかけるといった行動です。

 

生徒はこのような行動をとることで、周りに不快な刺激を与えて、教師や周囲の怒りを誘い、教師や周囲が注意を与えると、さらに騒ぎを大きくする行動をとるのです。

 

しかし、こういった行動によって、生徒は周囲の関心を得ることができるのです。

 

例え、それが教師や周囲から非難されるというマイナスの関心であっても、生徒にとっては、問題はないのです。その生徒にとっては、プラスであれ、マイナスであれ、周囲の関心を得ること自体が目的だからなのです。

 

では、これを先輩に当てはめて、考えてみましょう。

 

そのプロジェクトは私の担当であり、先輩は関係がありませんでした。しかし、その先輩はたまたま以前、そのプラントの設計を行ったことがあり、その経験をもとに私の設計をチェックしたのです。その目的は、もし私の設計に間違いがあれば、それをもとに大騒ぎを演じることで、周囲の関心を自分に集めることだったのです。

 

そして(先輩にとっては運良くと言っていいでしょう)、目論見どおり、私の設計が間違っていることを「発見」したのです。あとは、もうその先輩の一人舞台です。担当でもないのに、実績会議では、声を大にして「永嶋の設計は間違っている」と言い続け、あげくは工事を行う工場に出かけていき「永嶋の設計が間違っている」ことを解説する説明会まで開催したのですから。

※本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『心理学で職場の人間関係の罠から逃れる方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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