(※写真はイメージです/PIXTA)

融資やローンを利用する人に求められるのは、「滞りなく返済する」という金融機関への確約です。しかし、自然災害や競合物件の登場など、突然の出来事で空室が増加し、返済資金の確保が出来ずに返済が難しくなることは誰にでも起こり得ます。資金繰りに窮して自己破産に追い込まれてしまう前に、当初の融資条件を変更することはできるのでしょうか。「ローン返済条件の変更」に焦点を当てて見ていきましょう。

【関連記事】「冷蔵庫の重みで床が凹んだ」引っ越し前、修繕費用は払うか?【弁護士が監修】

「返済資金」が確保できなくなる原因は…

一般的に、資金繰りがショートする原因としては、以下が考えられます。

 

・空室の増加
・予定外の修繕発生
・実際の物件価値よりも高い値段で物件を購入してしまった
・「減価償却期間」の終了で税金が上がってしまった
・組んだローンが高金利だった
・自己資金が不足していた

 

なかには、「自己資金ゼロで始められる」という触れ込みで、アパート投資を始めた人もいることでしょう。しかし、少ない自己資金でアパート経営を始めた場合、毎月のローン返済額が大きくなり、長期間にわたって収支を圧迫してしまうことが考えられます。

まず債務者の権利「期限の利益」を理解することが重要

債務者には、「期限の利益」という権利があり、借り入れた金額の最終弁済期日(支払期限)までは確実に返済を待ってもらうことができます。

 

そのため、債務者から「返済条件を変更したい」といった申し出があった場合、銀行側は、1回あたりの返済金額を減らし、最終弁済期日の金額を大きくするといった手法をとることが一般的です。これなら、銀行側は最終弁済期日を過ぎた場合に貸付金を全額請求できるため、リスクが少なくて済みます。

 

一方で、融資期間は簡単に変更できるものではないので注意が必要です。銀行側にとっては自らの請求権まで延長することになるので、期日の延長にはとても慎重なのです。また、当然ながら「退去者が出ていって返済目途が立たない」「ギャンブルで貯金が底をついてしまった」といった一方的な言い分では、返済条件を変えることは極めて難しくなるので気をつけましょう。

困ったら、すぐに借入先の銀行へ相談する

しかしながら、コロナ禍に陥っている現在、ローン返済において苦境に立たされている方が多いのも事実でしょう。まずは一人で抱え込まずに、ご自身の状況について銀行の担当者に相談してみてください。しっかりと説明をすれば、場合によっては融資期間の延長まで応じてもらえるかもしれません。次に紹介するのは、真摯な姿勢を評価され、返済条件の変更まで漕ぎ付けたAさんのケースです。

 

次ページ事例:Aさんの場合

本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧