(写真はイメージです/PIXTA)

平成28年にスタートした「ジュニアNISA」。払出し制限などの条件が厳しく、利用者が伸び悩んでいたため、令和5年末の廃止が決定しました。しかし、廃止が決定されたとたんに申し込みが殺到したのです。本記事では岡野雄志税理士事務所の岡野雄志税理士がその理由を解説します。

「ジュニアNISA」を活用した生前贈与に潜む落とし穴

最近生まれたばかりのUさんのお孫さんは、今0歳。現在、Uさんは73歳。孫が18歳になるまで、あと18年間あります。73歳+18年間=91歳。人生100年時代になったとはいえ、91歳まで孫の資産をUさんご自身で管理し続けられるでしょうか?

 

ロールオーバーで令和5(2023)年の終了後もジュニアNISAを継続できたとしても、その後ずっとUさんが管理できるとは限りません。

 

ジュニアNISAは年間上限額が80万円なので、暦年贈与の基礎控除110万円を併用すれば贈与税もかかりません。そのため、生前贈与に適しているといわれています。

 

しかし、生前贈与に活かせる特例や非課税措置は、そのほかにも多々あります。例えば、「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度」です。

 

この制度は、平成27(2015)年4月1日~令和5(2023)年3月31日の間に、20歳以上50歳未満の方が結婚・子育て資金に充てるため、親や祖父母から1000万円以内の贈与を受けた場合、贈与税が非課税となるものです。これを利用して、お孫さんではなく、その親であるお子さんに子育て資金を提供するという方法もあります。

 

また、以前、『「孫の教育資金を負担しすぎた老夫婦」口座残高を見て大後悔…』にも書きましたが、親や祖父母からの都度贈与は贈与税非課税です。都度贈与とは、生活費や教育費といった日常生活に必要な経費が発生した際に、その都度、扶養義務者が支払うことを指します。

 

例えば、ジュニアNISAが令和5(2023)年に終了したら、制限がなくなる令和6(2024)年に払い出し、保育園入園料など、その時点で必要な教育費に用います。そして、その後は都度贈与に切り替えるという方法もあります。

 

生前贈与や相続税対策にはいろいろな方法があり、ケース・バイ・ケースで専門知識を必要とする場合もありますので、まずは専門家に相談してみることをおすすめいたします。

※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

 

 

岡野 雄志

岡野雄志税理士事務所

 

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