2023年に廃止決定の「ジュニアNISA」に注目が集まる意外なワケ【税理士が解説】 (写真はイメージです/PIXTA)

平成28年にスタートした「ジュニアNISA」。払出し制限などの条件が厳しく、利用者が伸び悩んでいたため、令和5年末の廃止が決定しました。しかし、廃止が決定されたとたんに申し込みが殺到したのです。本記事では岡野雄志税理士事務所の岡野雄志税理士がその理由を解説します。

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「子ども1人に10万円」が実現!? 学費を支えるのは誰?

新型コロナとの攻防は、長期戦の様相を呈してきました。そこで、公明党が衆院選マニフェストでコロナ禍の子育て支援として掲げたのが、0~18歳の子どもを対象としたひとり10万円の「未来応援給付」。議論が交わされてきましたが、実現化の運びとなりそうです。

 

コロナショックで経済が停滞し、収入減となった家庭もありますから、もちろん、給付金はあるに越したことはないでしょう。しかし、10万円の給付が、果たしてその後も子どもが学業を続けられる支えとなるかどうか……。

 

というのも、文部科学省の『平成30年度子供の学習費調査』によると、幼稚園から高等学校まで公立の場合の学習費総額(※)は521万2,311円。幼稚園から高等学校まで私立に通えば1,777万7,010円。大学へ進学すれば、さらに100~300万円余を要します。

※学習費総額は保護者が1年間に子どもひとり当たりに払う学校教育及び学校外活動経費で、幼稚園2年間、小学校6年間、中学校・高等学校は各3年間として計算しています。

 

そこで、子どもの将来に向けた資産運用をサポートする制度として、平成28(2016)年にスタートしたのが「ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)」です。

 

そもそもNISA(ニーサ)とは、英国のISA(Individual Savings Account/個人貯蓄口座)をモデルにした、日本版ISA(Nippon Individual Savings Account)を意味します。通常、株式や投資信託などの売却益や配当金には所得税、住民税、2037年12月末までは復興特別所得税も含め20.315%が課税されますが、これが非課税になる制度です。

 

自らNISAやつみたてNISAをされている方はご存じでしょうが、ジュニアNISAはNISAやつみたてNISAの子ども向け版です。……というと、誤解されやすいのですが、子ども自身が投資・運用するための制度ではありません。対象は日本に居住する0~19歳の未成年者ですが、目的はあくまで子どもの将来へ向けた資産運用です。

 

つまり、子や孫のため実際に投資・運用するのは親や祖父母ということになります。具体的手順として、まずはジュニアNISA取扱金融機関に子ども名義の2口座を開設します。ひとつ目は親や祖父母が資金を入れる「課税ジュニアNISA口座」、ふたつ目は購入した株式等を管理する「ジュニアNISA口座」です。

 

通常なら、子ども名義の口座に親や祖父母が資金提供し管理も行えば、「名義預金」とみなされ、将来、相続発生の際に税務調査の対象となる危険があります。その点、ジュニアNISAなら「名義預金」と疑われず、しかも利益に対する所得税や住民税は非課税です。

 

そのため、将来の相続税対策として、可愛い孫の教育資金形成に一役買いたい富裕層高齢者の人気を集めています。Uさんも、待ちわびた孫の誕生に喜び、ジュニアNISAを活用しようと考えたおひとりでした。

 

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岡野雄志税理士事務所 所長 税理士

昭和46年6月4日千葉県成田市生まれ。早稲田大学商学部卒業。相続税専門の税理士。

2005年に神奈川県横浜市の新横浜に事務所を開設して以来、横浜に限らず全国各地の相続案件を1690件以上手がけてきました。特に土地の評価を得意とし、相続税還付の実績は業界でもトップクラス。

相続税に関する書籍の執筆にも力を入れているほか、各種メディアからの取材実績も多数あります。

岡野雄志税理士事務所(https://www.souzoku-zei.jp/)

著者紹介

連載税理士・岡野雄志の「事例でわかる相続の恐怖」

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