(写真はイメージです/PIXTA)

平成28年にスタートした「ジュニアNISA」。払出し制限などの条件が厳しく、利用者が伸び悩んでいたため、令和5年末の廃止が決定しました。しかし、廃止が決定されたとたんに申し込みが殺到したのです。本記事では岡野雄志税理士事務所の岡野雄志税理士がその理由を解説します。

廃止決定のジュニアNISAに注目が集まる意外なワケ

ジュニアNISAは口座開設する年の1月1日時点で名義人が19歳(※)以下であれば、申し込めます。しかも、0歳からOKなので、孫の誕生祝いとして始める祖父母の方も多いようです。非課税投資枠は年間80万円で、投資開始から最長5年間、利益が非課税になります。

※成年年齢の引き下げに伴い、令和5(2023)年1月からは17歳。

 

しかし、以下のような禁止事項や注意点もあります。

 

■ジュニアNISAの禁止事項や注意点
・親権者が所有する上場株式や株式投資信託等をジュニアNISA口座に移すことはできない。

・開設できるのはひとり1口座のみ。

・金融機関の変更は不可。

・非課税枠の未使用分を翌年へ繰り越すことはできない。

・一度利用した非課税枠は売却しても復活しない。

・売買損失が発生しても他の口座での株式等の配当金や売買益等との損益通算はできない。また、損失の繰越控除(3年間)もできない。

・上場株式の配当金やETF・REITの分配金を非課税とするには、証券会社で受け取る「株式数比例配分方式」を選択する必要がある(他口座の上場株式の配当金等も自動的に「株式数比例配分方式」が選択されてしまう)。

・3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までは、払出し制限がある。災害等やむを得ない場合を除き、制限期間中に払い出すと、ジュニアNISA口座が廃止され、過去に遡って非課税の取扱いがなかったものとされる。

 

特に最後の「払出し制限」は、ジュニアNISAの最大のデメリットといわれてきました。例えば、小中学校や高等学校の入学資金に充てたい場合などには、払い出せないからです。そのため、利用者が伸び悩み、政府は令和5(2023)年末のジュニアNISA廃止を決定しました。

 

ところが、皮肉なことに廃止が決定した途端、申込みが殺到。なぜなら、令和6(2024)年1月以降ならいつでも、何歳でも払出し可能となるからです。今年中にジュニアNISAを始めれば、令和5(2023)年の廃止までに80万円×3年間=最大240万円の非課税枠が利用できます。

 

ジュニアNISA制度期間内に名義人が成人すると、成人する年の1月1日にNISA口座が自動的に開設されます。一般NISAにするか、つみたてNISAにするかは、本人が選択します。一般NISAを選択すると、ジュニアNISA口座内の金融商品は、NISA口座に移行可能です。

 

令和5(2023)年末に未成年の場合は、翌年以降、各年において5年間の非課税期間が終了した金融商品を「継続管理勘定」へ移管できます。これにより、成人になるまで金融商品を非課税で保有し続けることが可能です。時価が80万円超でも、全額移管が可能とされています。

 

「継続管理勘定」への移管をロールオーバーと呼びます。ジュニアNISA制度終了前でも、5年間の非課税期間を超えた6年目にロールオーバーすることで、NISA口座での非課税期間を延長することができます。……と、ここでハタと、Uさんはある重要な事柄に気づきます。

 

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