(※画像はイメージです/PIXTA)

学習の基礎が身についていない状態で過去問を解いても点数はとれず、親子共々の自信と、貴重な過去問を失うのみです。過去問とはどう向き合うべきなのでしょうか。※本連載は安浪京子氏、おおたとしまさ氏の著書『中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

大切なのは試験本番にピークを持ってくる

夏休みから過去問をスタートさせる塾もありますが、これは子どもの仕上がりを考慮せず、カレンダーを逆算して日程を決めたものになります。志望校対策をせずとも点数のとれる学校ならばいいですが、そうでない限りは「志望校対策をしてから解かせたいのですが」と先生に相談しましょう。

 

過去問にとりかかるうえで大切なのは、入試にピークを持ってくることです。早すぎる過去問着手で12月にすることがなくなってしまう、あるいは点数がとれて慢心してしまうなどの理由から、余裕で合格するはずが不合格だった、ということもめずらしくありません。

 

何年も出題傾向が変わらない大学付属校などは「なるべく早くとりかかって何回も繰り返す」という話もありますが、基礎が身についていない状態で同じ問題を何度も解いて解法を覚えても、少し問題の出し方をひねられたら手も足も出ません。これは復習テストや模試で痛いほど経験されてきたのではないでしょうか。

 

「早くとりかかって何回も繰り返す」が功を奏すこともありますが、実力がついているわけではないと心得ましょう。入試はそれほど甘くありません。

 

Pointまとめ
●同じ過去問を何回もくり返し解いても、まったく同じ問題は出題されない。
●出題傾向の変わった学校は、解く年度に注意が必要。
●過去問の早い仕上がりは禁物。大切なのは本番にピークを持ってくること。

 

安浪京子
株式会社アートオブエデュケーション代表取締役
算数教育家
中学受験専門カウンセラー

 

 

中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール

中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール

安浪 京子 おおた としまさ

大和書房

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