「障がい者グループホーム」運営ノウハウ…収益構造を理解する (※画像はイメージです/PIXTA)

障がい者グループホームを運営するにあたり、重要なのはその収益です。主なものに入居者が支払う家賃と、国民健康保険国体連合会を通じ自治体から支払われる給付金がありますが、障がい者の多くは障害基礎年金や生活保護などの給付を受けるなど、国からの手厚いサポートによって守られています。詳細を解説していきます。

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障がい者グループホームの収益源は主に2つ

障がい者グループホームの収益源は、

 

①入居者の支払う家賃等

②国民健康保険国体連合会(略して「国保連」)を通じて自治体から支給される給付金

 

の2つです。

 

 

①入居者が支払うべきものとは?

 

毎月入居者が支払う家賃、食費、光熱費などが、グループホームの売上になります。ただしここからはほとんど利益は出ません。家賃は自社運営なら建物のローン返済に充てられますし、建て貸しであれば家賃としてそのまま大家に払うことになります。食費・光熱費もほぼ実費となるので、ここから利益が生まれることはないと考えてください。

 

②国保連から支給される給付金

 

障がい者グループホームには国保連から入居者の区分と人数に応じて、給付金が給付されます。グループホームにとって収益となるのは、この国保連からの給付金です。給付金には入居者の人数に応じて給付される「基本給付金」と、施設設備や従業者の勤務体制等に応じて加算される「加算金」があります。

介護包括型の入居者は就労者多数、なんらかの収入あり

軽度の障がいのある人を対象とした介護包括型では、入居者の多くは就業しており、なんらかの収入を得ています。

 

では重度の障がいのある方が入居している日中サービス支援型はどうかというと、家賃等が親頼みだとすれば、親亡きあと収入源が断たれることになってしまいます。それではグループホームの運営側にとってはリスクが高くなります。

 

でもリスクの心配はなく、入居者のほとんどは国から「障害基礎年金」という一定の障がいの状態にある人が受給することのできる年金を受給しています。

 

障害基礎年金には障害の程度に応じて1級と2級があり、2021年現在、それぞれの額は次のようになっています。

 

障害基礎年金1級…97万6125円(月額8万1343円)

障害基礎年金2級…78万900円(月額6万5075円)

障害基礎年金は偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)に、前2月分が支給される仕組みになっています。

 

なお会社勤めをしているとき(=厚生年金の被保険者だった期間)に初診日のある傷病が原因で一定の障がいが残った際には、あわせて障害厚生年金も支給されます。障害厚生年金の額はその人がもらっていた給与とボーナスの額や厚生年金の被保険者だった期間の長さにより異なります。

 

つまり障害基礎年金1級の人にはあわせて1級の障害厚生年金が、障害基礎年金2級の人には2級の障害厚生年金が支給されることになっているのです。

 

また障害厚生年金には1級と2級のほかに3級があります。3級の人には障害基礎年金は支給されないため、最低保証額として58万5700円(月額4万8808円)が支給される仕組みです。

 

もっとも障害基礎年金を受給するには、一定の国民年金保険料を納めていたことなどの条件があります。その条件を満たしていないと、障害基礎年金はもらえませんが、グループホームに入居する方の場合、代わりに生活保護の対象になります。

 

障害基礎年金といい生活保護といい、国が給付主体になっているわけですから、グループホームの家賃等は「国が担保してくれている」ようなものです。オーナーにとっては大きなメリットといえます。

 

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アルカスコーポレーション株式会社 代表取締役
南砺市商工会副会長

1964年、富山県生まれ。小学2年生から東京で育つ。
1988年に立教大学卒業後、大和証券に入社。
1990年から1993年の間、萩山教厳代議士、鈴木宗男代議士の秘書を務める。
1995年に岩崎建設株式会社を継ぎ、取締役に就任。1997年には同社代表取締役に就任。
2009年に社名をアルカスコーポレーション株式会社に改める。同年から南砺市商工会理事を務め、2018年副会長となる。

著者紹介

連載社会貢献と事業収益を両立…障がい者の自立支援を行う「グループホーム」経営

安定した収益&社会的意義を両立 福祉施設経営のススメ

安定した収益&社会的意義を両立 福祉施設経営のススメ

岩崎 弥一

幻冬舎メディアコンサルティング

2012年の障害者総合支援法の制定により、障がい者が暮らす場所として「障がい者グループホーム」の数が増えることが期待されていましたが、供給率は障がい者の総数に対してわずか6%というのが実態です。そこには、あまり利益…

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