規模の小さなグループホームが多い理由
障がい者グループホームは知的障がいのある人が暮らす施設として誕生し、のちに精神障がいのある人も入居対象となりました。
高齢者のグループホームに比べてあまり知られてこなかったのは、障がい者グループホームの規模が総じて小さかったことと無関係ではないと思います。最近でこそ定員が10人~20人などのグループホームもちらほらと出てきてはいますが、現状ではまだ中古住宅を改修した定員3~4人などの小さな規模のグループホームにしているケースが圧倒的多数です。
というのも、グループホームの運営者自身に障がいのあるお子さんがいて、子どもの将来を案じて「それならば、自分の子を孤立させず、よその障がいのあるお子さんのお世話もできるように」という動機で始める方が多かったからです。
NPO法人や合同会社などが運営母体となっているのも同じような理由からで、大きな借り入れもできないため自宅を改修したり、古いアパートを購入したりしてグループホームにしているケースが多々あります。最初から複数の障がい者が入居することを想定して設計・建築されたものではないので、オペレーションが悪いのは否めません。例えばトイレ・洗面などの水回りが1世帯分しかないため混雑がひどかったり、古い家が多いので冷暖房効率が悪かったりしていることが多く、新規の入所希望者はまずいないだろうなと思えるような建物も多いです。
それでもグループホームである以上、必要な人員は満たさなければならないため、人を雇うのですが、その分の人件費は当然かかります。利益はますます少なくなり、経営者はボランティアのようなつもりでないと到底続けることはできなくなってしまいます。
そのため障がい者福祉関係者のあいだでは「グループホームは儲からない」というのが定説になっています。
グループホームを経営している人に「どうなの?グループホームって」と尋ねると、返ってくるのは「儲からないからやめたほうがいいよ」という言葉ばかりです。そう言われて「やってみよう」と思う人はまずいないはずです。
やっている人が儲からないとぼやく
↓
やろうと思う人が増えない
↓
障がい者の数は増えるのにグループホームは増えない
↓
障がい者の行き場がなくなる
という悪循環に陥っているのです。
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