(※写真はイメージです/PIXTA)

長年にわたり内縁関係にあった夫が亡くなりました。連れ添ってきた妻は、遺族年金を受け取ることはできるのでしょうか。また、妻であることを証明するにはどんな方法があるのでしょうか。多数の相続問題の解決の実績を持つ司法書士の近藤崇氏が、実例をもとにわかりやすく解説します。

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長年連れ添った夫が亡くなったが、じつは内縁関係で…

 相談内容 

 

夫が突然亡くなり、相続が発生しました。夫は前の妻と離婚しています。

 

私と夫は長年一緒に暮らしてきましたが入籍はしておらず、いわゆる内縁関係です。

 

今回、夫が亡くなったことで、私は遺族年金などを受給できる権限はあるのでしょうか?

内縁関係にあることが証明できれば、可能性がある

 回 答 

 

内縁とは「入籍はしていないが婚姻意思を有し」「同居して生計を共にする生活を送る」ことを指します。戸籍上で示せる婚姻関係とは違い、戸籍の上で第三者に婚姻関係がわかることはありません。

 

よって、下記のようなもので「内縁関係」であることを証明していきます。ただし、様々な状況を総合的に見て判断されるので、これらがあれば必ず内縁関係だと証明できるわけではありませんので、注意が必要です。

 

①住民票

 

まずは住民票の続柄です。住民票の続柄の覧に「妻(未届)」や「夫(未届)」などの記載があれば、第三者にも内縁関係は認められやすいでしょう。

 

逆に、同一住所に住んではいるだけの場合は、それだけで内縁関係を証明するとまでは言えませんが、居所を同じくして生活していたことの証明にはなりえます

 

②賃貸借契約書

 

居住する住居の賃貸借契約なども、内縁の証明になる場合もあります。

 

同居人欄で続柄が「内縁の妻(または夫)」や「妻(未婚)」または「夫(未婚)」などの記載があれば、内縁の証明になります。

 

携帯電話の契約では、家族利用としての契約をしている場合などに内縁関係の証明になる可能性があります。

 

③公的保険または生命保険

 

健康保険の被扶養者となっていることや、国民年金の第3被保険者になっていることも、内縁の証明になります。

 

また生命保険の死亡時受取人になっていた場合なども、証明として使えることがあります。

 

また、亡くなった被相続人との内縁関係を証明する場合、下記のような証明が必要です。

 

日本年金機構
「生計同一関係・事実婚関係に関する申立をするとき」

事実婚関係及び生計同一関係に関する申立書 

 

生計同一関係はケースにより様々ですし、現状をきちんと把握したうえで、各地の所轄の年金事務所に相談してみるのもいいかもしれません。

 

<年金事務所一覧>
全国の年金事務所一覧

 

※本件は業務上の経験と個人的な見解とに基づき記載しておりますので、内容の正確性、法的整合性等ついては一切の保証をできかねます。各相続のケースでは各専門家の指導の下、個別具体的な判断お願い致します。

 

 

近藤 崇

司法書士法人近藤事務所 代表司法書士

 

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    本記事は、司法書士法人 近藤事務所が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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