(※写真はイメージです/PIXTA)

親族の死後、遺品を整理していたところ、日記に「遺言書」との記述が…。ここに書かれた内容は有効なのでしょうか。また、これをもとに不動産の名義変更などは可能なのでしょうか。多数の相続問題の解決の実績を持つ司法書士の近藤崇氏が、実例をもとにわかりやすく解説します。

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亡くなった年の元旦の日記に「遺言書」との記述が…

 相談内容 

 

父が亡くなりました。几帳面な性格だった父は、生前、毎日欠かさずに日記を付けていましたが、亡くなる年の日記帳の元日のページに「遺言書」との題名があり、遺言のようなものが書かれていました。

 

これは有効なものなのでしょうか?

 

これを基にして相続登記などの不動産の名義変更手続きは可能なのでしょうか?

有効の可能性は高いが、日記は全ページ渡すことに…

 回 答 

 

「遺言書」と記載のあるページに、遺言者自身の「署名」「捺印」「日付」の記載があり、内容としても遺言と判断するに十分なものであれば、十分有効であると判断される余地があると思います。

 

いずれにしても日記帳に書かれた遺言とのことですので、自筆証書遺言と考えられます。家庭裁判所での検認の手続きが必要となります。

 

実際に似たようなケースで、弊所にて横浜地方法務局管内の法務局で相続登記を申請したことがありますが、問題なく登記申請は受理されました。

 

ただ遺言書の「検認手続き」のうえでは、日記帳全体が一冊の遺言書あたると考えられますので、家庭裁判所の方は、日記帳すべてのページをコピーし、記録を取られていたようです。

 

(*登記の申請には、遺言とおぼしき当該ページのみコピーしましたが、やはり遺言書として日記帳全体の原本も添付しました)

 

日記のほかの部分まで家庭裁判所や法務局に提出しなければなりませんので、死後にプライベートな事を見られたくない方は、日記に遺言書を書くのは避けたほうがいいかもしれないですね。

 

※本件業務上の経験と個人的な見解とに基づき記載しておりますので、判例等を指し示しているものではございません、内容の正確性、法的整合性等ついては一切の保証をできかねます。各相続のケースでは各専門家の指導の下、個別具体的な判断お願い致します。

 

近藤 崇
司法書士法人近藤事務所 代表司法書士

 

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本記事は司法書士法人 近藤事務所のコラムを転載したものです。

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