人はいるだけで環境に影響するといいます。特に影響を与えるのがリーダーで、いるだけでまわりに悪い影響を与えるリーダーなら、いないほうがマシです。なかでも一番悪影響を与えるといわれているのは何でしょうか。※本連載は飯田結太氏の著書『浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟』(プレジデント社)を抜粋し、再編集したものです。

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理不尽な怒りを叩きつけていた…

■仏の顔も2万回

 

「前に伝えたのに、なぜわからないんだ!」
「何度も言わせるな! そんなことは自分で考えろ!」

 

多くの会社では、上司に同じことを2回聞くと、こんなふうに怒られます。

 

それにもかかわらず、自分で判断したことが間違っていようものなら、こうです。

 

「わからないのに、なぜ聞かない!」
「勝手な判断をするな! すぐに聞け!」

 

こんな理不尽な経験をしたおぼえのある人は多いでしょう。何を隠そう僕こそ、この理不尽な怒りを叩きつける上司の一人でした。

 

そもそも、同じことを2回聞きたい人はいません。それでも2回聞かなければならないほど大切だから、勇気を出して聞いているのです。そして、その多くがお客様に関わっています。大切だからこそ、何度も確認したいのです。

 

「目の前のお客様を大切にする」と決めたならば、この点も改善していかなければなりません。小さな不安や疑問は、大きな問題へと肥大していく前に解決しなければならないのです。質問すると怒られるという恐怖心は、コミュニケーションの機会をも奪います。百害あって一利なしなのです。

 

そこで、「2万回ルール」を設けました。

 

疑問に思ったときは「2万回までは同じことを聞いてもいい」というルールです。つまり、納得できるまで何度でもとことん聞いてほしいということを意味します。

 

仕事では、相手のニーズをつかむためによく聞き、よく理解することが必要です。わからないことをごまかさずに、聞き返せる素直さが大切です。

 

もし、何度も同じ質問をされるのであれば、何度も同じ質問をさせてしまう側の伝え方に問題があるのかもしれません。逆に、質問の仕方に問題があるのかもしれません。

 

普段の仕事を通じて、傾聴力と質問力、伝達力と説明力を磨けば、正確かつ誠意の伝わるコミュニケーションができるようになります。質問も説明も立派な仕事として、聞くほうにも、聞かれるほうにも責任があるのです。

 

接客では、言葉にならない不満や疑問を抱えているお客様も多くいらっしゃいます。目の前のお客様を大切にするためにも質問力を磨き、潜在的なニーズに気づけるように訓練を重ねること、そして一歩も二歩も先回りしてご要望に合う料理道具を提案することが、お客様の満足度向上につながるはずです。

 

次ページ1円の利益にもならない「非生産的で非効率」ルール

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