傲慢社長が猛省…不満だらけの職場を変えた「まさかの潤滑油」

社員から信頼を得ることができず、悩んでいた飯田屋社長。社員一人ひとりを大切にすることで有名な金属加工メーカーを訪ねたところ……。 ※本連載は飯田結太氏の著書『浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟』(プレジデント社)を抜粋し、再編集したものです。

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飯田屋が有名になれば社員はついてくる?

■「マイカード」で信頼関係を育む

 

「飯田屋の看板社長」として世の中に広く認められれば、従業員からの厚い信頼を得られると信じていました。世間に名の知れる「あの飯田屋」で働くことができれば、従業員も誇りを持てると考えていたのです。

 

しかし、現実はまったく違いました。信頼を得ることも、誇りを持ってもらうこともなく、社内には不平不満だけが充満していました。今になって思えば、僕は「飯田屋のため」「従業員のため」と言いながら、自分のことしか考えていませんでした。飯田屋の看板を、たった一人で背負っているような傲慢な気持ちになっていたのです。

 

どうしたらいいか悩み、何か学べるものはないかと訪ねた、徳島市の西精工に大きなヒントがありました。同社は「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」や「ホワイト企業大賞」に選ばれるなど、従業員一人ひとりを大切にする素晴らしい金属加工メーカーです。

 

社内には、従業員たちがお互いを信頼しあう雰囲気が満ちていました。同社の西泰宏社長が本気で社員の幸せや働きがいを大切にしている姿が会社全体、工場全体からにじみ出てくるのです。

 

同社では、従業員一人ひとりが自分の大切にしていることや、人生で成し遂げたいことなどを書き、それをすべての人が見られる場所に貼り出していました。だから、誰が何を大切にしているかがわかります。

 

人は自分を理解してくれる人、共感してくれる人に、肯定的な感情を抱きます。そこから始めて、少しずつ信頼関係を築いていけるようになります。

 

まずは相手をよく知る必要があることを学びました。

 

これまで僕は、真逆の行いをしていました。従業員の話を聞くのではなく、いかに自分が会社のために多くの時間を使い、どれだけ収益を上げてきたかなど、いつも自分の自慢話ばかりでした。どれだけ自分がすごい人間なのかを伝えれば、みんなが信頼してくれて、僕についてきてくれると本気で信じていたのです。

 

しかし、西社長は違いました。どれだけ相手に寄り添えるか、どれだけ相手が大切にしていることを理解できるかに力と時間を充てているのです。

 

株式会社飯田代表取締役社長

大正元年(1912年)に東京・かっぱ橋で創業の老舗料理道具専門店「飯田屋」6代目。料理道具をこよなく愛する料理道具の申し子。TBS「マツコの知らない世界」やNHK「あさイチ」、日本テレビ「ヒルナンデス!」など多数のメディアで道具を伝える料理道具の伝道師としても活躍。自身が仕入れを行う道具は必ず前もって使ってみるという絶対的なポリシーを持ち、日々世界中の料理人を喜ばせるために活動している。監修書に『人生が変わる料理道具』(枻出版社)。2018年、東京商工会議所「第16回 勇気ある経営大賞」優秀賞受賞。

著者紹介

連載浅草かっぱ橋商店街で営業方針は「売るな」で大繁盛

浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟

浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟

飯田 結太

プレジデント社

効率度外視の「売らない」経営が廃業寸前の老舗を人気店に変えた。 ノルマなし。売上目標なし。営業方針はまさかの「売るな」──型破りの経営で店舗の売上は急拡大、ECサイトもアマゾンをしのぐ販売数を達成。 廃業の危機に…

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