(※画像はイメージです/PIXTA)

精神科医の和田秀樹氏は子どものころ、ずっといじめられ子だったと語っています。小学2年生で大阪から東京に引っ越したときには「大阪弁をしゃべる」といじめられ、4年生で大阪に戻ってきたときには「東京の言葉を使う」といじめられたという。 ※本連載は和田秀樹氏の著書『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

「社会適応が悪い子」は単なる気質の差

■不器用さを恥じない

 

いっぽうで、母は私の気質を非常によく理解していて、

 

「お前みたいな社会適応の悪い人間にはサラリーマンなんか絶対無理だから、医者であれ弁護士であれ、何か免状を持ったほうがいい」

 

と、ことあるごとに言っていました。

 

それがこんにちの私、精神科医である私を形成しているわけですが、そうは言っても「社会適応が悪い息子=ダメな息子」という認識ではなく、単にそれが自分の息子の気質なのだ、という淡々とした捉え方なのです。

 

こうした母の考え方に救われる部分がどれだけ大きかったか。

 

人間、得手不得手というのは必ずあります。

 

場の空気を読んで周囲に合わせられるというのもひとつの能力ですが、私のように周囲に合わせることは苦手だけれども、自分の意見を言えるというのもひとつの能力です。

 

単なる気質の差、なのです。

 

それを単なる気質の差と捉えられるか、「いじめられるような人間にはどこか悪いところがあるに違いない」と捉えるか。

 

「受け入れられ体験」は、受け入れてくれる側の存在も必要ですが、受けとめる側の素直さも必要です。

 

せっかく自分のことを受け入れてくれる人がいたとしても、いつもひねくれて言葉の裏側ばかり見ようとしていたら、受け入れられ体験は増えていきません。

 

自分に自信がない人にとっては、ちょっと図々しいような気がするかもしれませんが、言葉の裏なんて気にせず、嬉しい言葉は、言葉のまま受けとめる。自分にとって大切な人の前では、「自信がない」とか「お世辞なんじゃないか?」とか、余計なことはいったんリセットして、まっさらな心の状態で向き合ってみる。

 

嬉しいことを言われたら、素直に「ありがとう」と喜んでいればいいのです。

 

それが、受け入れられ体験を増やすコツなのです。

 

 

和田 秀樹

和田秀樹こころと体のクリニック 院長

 

 

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