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地震で空き家が倒壊…周辺に損害が広がったら
空き家問題で懸念されているのが周辺への影響。まずは治安悪化につながる恐れ、そして腐敗、破損の進行で、崩壊の可能性があるのです。
たとえば地震。日本である以上、いつ、どこで、地震が起こるか分かりませんが、地域によってリスクの度合いはさまざま。たとえば東京都の場合、地震に関する地域危険度測定調査を行い、都内の市街化区域の5,177町丁目について、地震に関する危険性を「建物倒壊危険度*1」「火災危険度*2」「災害時活動困難度*3」に分けて測定。「総合危険度*4」を公表しています。
*1「建物倒壊危険度」建物倒壊の危険性
*2「火災危険度」火災の発生による延焼の危険性
*3「災害時活動困難度」道路の整備状況による災害時の活動の困難さ
*4「総合危険度」建物倒壊危険度、火災危険度に災害時活動困難度を加味して総合化
それによると、最も地震によるリスクが高いのは、狭い路地に木造住宅が密集する「東京都荒川区町屋4丁目」で、「建物倒壊危険度」は8位、「火災危険度」は6位、「災害時活動困難度」は124位、「総合危険度」1位となっています。また「建物倒壊度」の1位は、「京成曳舟」駅と「小村井」駅の間に広がる「墨田区京島2丁目」でした。
【東京都「地震総合危険度」上位10】
1位 荒川区町屋4丁目
2位 足立区千住柳町
3位 荒川区荒川6丁目
4位 足立区千住大川町
5位 墨田区墨田3丁目
6位 北区志茂4丁目
7位 墨田区京島2丁目
8位 江東区北砂4丁目
9位 大田区羽田6丁目
10位 足立区千住元町
出所:東京都都市整備局
都市部でも空き家は問題になっており、このような地域に不安定な空き家を保有していたらどうなるでしょう。管理の行き届いておらず耐震性の劣る空き家の場合、ほかは被害がないような地震であっても建物は倒壊し、周辺の住宅に危害を加える可能性があります。もちろん、その場合、責任は所有者にあります。
また築古の賃貸住宅で地震による被害があり、それが管理不足によるものだと指摘されたら、オーナーの責任になる可能性が高いことは過去の裁判例からも明らかです。
相続で利活用の難しい不動産を保有することになり、途方も暮れている人は多いでしょう。
――親のアパートを相続したのはいいが、活用することもできず、ただ税金を取られるだけ。しかも地震で倒壊して他の家に損害が及ぶなんて……
そんな泣き言をいっても後の祭り。日本に住んでいる以上、いつ地震が起こるかわからない状況。空き家のオーナーは早急の対策が必須です。
またこれから相続が発生する可能性のある人で、そのままでは利活用が難しい不動産を所有しているなら、いまのうちに売却を検討したり、建替えなどを行い価値を高めたりと、対策を講じておくことが重要です。
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