投資家が海外に目を向ける場合、注目する指標として「人口」があります。そこから見えてくるのは、東南アジア、なかでも「フィリピン」の優位性です。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクター、家村均氏が解説します。

ASEAN…世界で一番大きな経済グループ

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東南アジアの人口を見ていく前に、まずは世界の人口を比較していきます。

 

この棒グラフは世界の主要な経済グループの人口を表しています。ASEANは東南アジア諸国連合です。EUはヨーロッパの経済連合、NAFTAは北米の経済グループ、そしてMERCOSURは南米の経済グループを指します。

 

ASEAN諸国合計で人口は6.67億人、EUが4.48億人、NAFTA(北米自由貿易協定)が4.96億人、MERCOSUR(メルコスール。ブラジル、アルゼンチンなど南米諸国が結んでいる経済連携協定)が3.09億人。ASEANは、世界で一番大きな経済グループです。

 

東南アジアのなかでの人口比率を見ていくと、インドネシアが全体の41%を占め、その人口は2.7億人になります。 二番目がフィリピンで、16,4%を占めており、その人口は1.1億人になります。以下、ベトナム、タイ、ミャンマー、マレーシア、カンボジアと続いていきますが、インドネシアとフィリピンの2ヵ国で、東南アジアの人口の約半分を占めるわけです。

フィリピンの人口ボーナスは世界でも最長クラス

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次に人口構成についてみていきましょう。

 

人口に注目すると、生産年齢人口が多ければ多いいほど、経済成長には有利になります。ですから、どのような人口構成をしているかは、その国の経済が成長していくうえで重要になります。人口構成は経済成長の指標と捉えることができるわけです。

 

「人口ボーナス」という言葉を聞いたことのある人は多いでしょう。これは、生産年齢人口が増え続ける期間のことを表し、長ければ長いほど経済が長期的に成長していくということになります。東南アジアのなかではフィリピンが2062年まで人口ボーナスが続き、以下、ミャンマーが2053年、マレーシアが2050年、インドネシアが2044年、ベトナムが2041年、タイが2031年、シンガボールが2028年。フィリピンが人口ボーナスでは最長、ということになります。

 

世界的に見ても、インドとフィリピンは長期で人口ボーナスが続くことで有名です。

 

 

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