円安だと「海外不動産は高い」というが…
一向に終わる気配の見えない円安。対ドルでみていくと、2022年2月には1ドル=115円ほどでしたが、同年10月には1ドル=150円に迫る円安に。その後、1ドル=130円くらいに戻ったものの、2023年5月以降は1ドル=140円台、さらに同年11月には1ドル=150円超えを記録しています。ほかユーロやポンドなど、世界さまざまな通貨において、円安傾向は続いています。
そのなかでいわれているのが、海外不動産投資を進めるべきか、否かという議論です。
「円安だから、海外不動産投資はやめておけ」という論者の主張は「円安の時は物件価格が高いから」というもの。
海外不動産の売買は現地通貨で行われるため、その国の通貨を保有している場合を除き、日本からお金を送金して購入することになります。送金する過程で、日本円→現地通貨に両替されるため、円安時に海外不動産を購入すれば、為替相場に応じて当然、物件価格は高くなります。
一方で家賃収入は円安によって増えます。たとえば、東南アジアの国であるカンボジア。自国通貨のリエルがあるものの、ビジネスは信用力のある米ドルが使用されています。2022年2月時点の円ドル相場は1ドル=114円だったのが、2022年10月に1ドル=148円になりました。1ヵ月の家賃が1,000ドルであれば、半年後には3万4,000円ほど多くの家賃を得られることになります。
海外不動産投資では、購入時はもちろん、運用中においても為替相場の影響を大きく受けます。円安時に始める場合も、円高時に始める場合にも、それぞれメリットとデメリットがあるので、「いつ海外不動産投資を始めるべきか、に答えがない」というのが正解でしょうか。どちらにせよ、メリットとデメリットを鑑みて、しっかりとした出口戦略を立てておくことが重要になります。
海外不動産投資、円安時に始めるか、円高時に始めるかという議論のほかにも、「そもそも海外不動産投資をすべきかどうか」という議論も長く続けられてきました。海外不動産を推奨する人たちの主張としてよく耳にするのは、「日本で資産形成をすることのリスク」です。
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