「自宅療養をすべきか」チェックすべきメリットとデメリット【在宅医が解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

自宅での療養生活を快適と思うか不安と感じるかは、患者さんやご家族によってそれぞれ違います。在宅医療のメリットとデメリットとは。※本連載は中村明澄著『「在宅死」という選択』(大和書房)より一部を抜粋し、再編集した原稿です。

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検討すべき自宅療養のメリットとデメリット

■いちばんのメリットは、とにかく「自由」

 

自宅での療養生活のいちばんのメリットは、何といっても自由に過ごせること。自宅など住み慣れた環境で、自分らしい生活をおくれるわけですから、病院で感じるような息苦しさもありません。

 

面会時間も決まっていませんから、会いたい人には来てもらえばいつでも会えますし、決められた起床時間も就寝時間もありません。好きな音量で音楽を聴くのも自由ですし、いつテレビを見ても怒られたりしません。

 

食べたいものが自由に食べられるのも、在宅ならではのメリットです。入院しながら叶えるのはほぼ不可能ですが、お酒やタバコ(体にいい悪いは別問題ですが)だって、自宅ならご本人の自由です。

 

自分の空間で自分らしい生活を大切にしたい方にとっては入院しているときよりも気持ちが元気になって、精神的にも安定する方が多い気がします。科学的根拠はないですが、結果的に医師より伝えられた余命より長生きできる方も少なくないように感じます。

 

そして経済的にもメリットがあります。外来への通院と比較するとかなり高額に感じる訪問診療ですが、病院までのタクシー代や、付き添いの費用、あちこちでの待ち時間などがかからなくなります。また、施設入所や入院と比較するとそれほど負担が大きくなく安心です。費用については後ほどご紹介します。

 

■デメリットととるかはご家族しだい

 

ただ、患者さんがご家族と同居している場合には、食事の用意や服薬の補助などご家族の協力も必要になります。病院でスタッフが行う日常のケアを、ご家族も担っていただくことが多くなります。

 

そのため、最期まで一緒に過ごせて介護することをメリットと思うのかデメリットと思うのかは、ご家族の受けとめ方しだいとも言えます。

 

どんなに仲のいいご家族でも、「下の世話」をよろこんでやれるかというと、そうとも限りません。なかには、「何でもやってあげられるから幸せ!」と、介護そのものが生き甲斐になる方もいますが、多少負担に感じながらも「家族だから」「一緒にお家にいたいから」「今までの恩返し」と頑張っておられる方がほとんどです。

 

おむつを替えたりご飯を食べるサポートをするのは、いろいろな思いが込み上げてきてつらくなったりもするでしょうし、毎日のことですから、やはり身体的にも負担がかかります。それでもやっぱり自宅で最期まで一緒に過ごしたい……そうした家族の思いを身体的にも精神的にもサポートするのも私たち在宅医療にかかわる者の役割です。

 

ご本人の「こうしたい」はもちろん大切ですが、ご家族が自分を犠牲にしなくてはならない状況では、最終的にお互いが苦しくなってしまいます。

 

ですから在宅医療や介護保険サービスを頼って、お世話する側も無理をしすぎない環境をつくっていくことが、とても大切です。

 

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在宅医療専門医
家庭医療専門医
緩和医療認定医

2000年東京女子医科大学卒業。国立病院機構東京医療センター総合内科、筑波大学附属病院総合診療科を経て、2012年8月より千葉市の在宅医療を担う向日葵ホームクリニックを継承。2017年11月より千葉県八千代市に移転し「向日葵クリニック」として新規開業。訪問看護ステーション「向日葵ナースステーション」、緩和ケアの専門施設「メディカルホームKuKuRu」を併設。緩和ケア・終末期医療に力をいれ、年間100人以上の患者の方の看取りに携わっている。病院、特別支援学校、高齢者の福祉施設などで、ミュージカルの上演をしているNPO法人キャトル・リーフも理事長として運営。著書に『「在宅死」という選択 納得できる最期のために』(大和書房)がある。

著者紹介

連載「在宅死」という選択で自分らしい生き方と逝き方を探る

「在宅死」という選択~納得できる最期のために

「在宅死」という選択~納得できる最期のために

中村 明澄

大和書房

コロナ禍を経て、人と人とのつながり方や死生観について、あらためて考えを巡らせている方も多いでしょう。 実際、病院では面会がほとんどできないため、自宅療養を希望する人が増えているという。 本書は、在宅医が終末期の…

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