2021年7~9期実質GDP(第1次速報値)予測 (※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「宅森昭吉のエコノミックレポート」の『経済指標解説』を転載したものです。

 

7~9月期実質GDP第1次速報値・前期比はマイナス成長か

 

 

●11月15日に発表される7~9月期第1次速報値では、実質GDP成長率は前期比▲0.4%程度、前期比年率▲1.6%程度と、新型コロナウイルス感染症拡大・緊急事態宣言発出などの影響で消費活動が抑制されたことや、輸出が供給制約の影響から弱い動きになったことから2四半期ぶりのマイナス成長になると予測する。

 

●7~9月期実質GDP第1次速報値では内需前期比寄与度は▲0.2%程度を予測する。内訳をみると、民間需要の寄与度が▲0.3%程度のマイナス寄与度、公的需要の寄与度は+0.1%程度のプラス寄与度と予測する。外需の前期比寄与度は▲0.2%程度のマイナスになると予測した。

 

●個人消費の供給サイドの関連データである耐久消費財出荷指数の7~9月期前期比は▲18.7%の減少になった。一方、同じく供給サイドの関連データである非耐久消費財出荷指数は同▲1.9%の減少だ。参考までに商業販売額指数・小売業の7~9月期前期比をみると+1.2%の増加になった。また、需要サイドの関連データでは、家計調査・二人以上世帯・実質消費支出(除く住居等)の7~8月平均対4~6月平均比は▲4.1%の減少である。乗用車販売台数の7~9月期前期比は▲16.3%の減少になった。GDP統計の実質個人消費(家計最終消費支出)と関連性が高い消費総合指数(月次ベース)の7~8月平均対4~6月平均比は▲0.6%の減少である。以上から総合的に考えると、7~9月期第1次速報値の個人消費は、前期比で▲0.8%程度の減少になると予測した。新型コロナウイルスの影響が大きく、緊急事態宣言による自粛期間だったことからマイナスになり、GDPの押し下げ要因になったことが予想される。

 

●設備投資の関連データである資本財(除.輸送機械)出荷指数の7~9月期前期比は▲2.5%の減少になった。また、建設財は同▲1.3%の減少である。GDP統計では、7~9月期の供給サイドから推計される実質設備投資は前期比▲0.1%の減少になると予測した。

 

●民間在庫変動の前期比寄与度は+0.1%程度とみた。ARIMAモデルにより内閣府が4~6月期GDP第二次速報値発表時点での情報を使って算出・公表した、7~9月期の原材料在庫の季調済実質値前期差は▲895億円、仕掛品在庫の季調済実質値前期差は+6,604億円である。一方、鉱工業在庫指数の前期比は、4~6月期は+0.9%だったが、7~9月期は+2.0%になったことなどを考慮した。

 

●実質輸出入の動向をみると、輸出の7~9月期・前期比は▲2.8%の減少になった。控除項目の輸入は同▲1.6%の減少になっている。財のデータでみると7~9月期の外需・財貨の前期比寄与度はマイナスになりそうだ。サービスも含めたGDPの輸出の7~9月期前期比は▲2.1%の程度の減少、輸入は同▲1.0%度の減少と予測した。7~9月期の外需の前期比寄与度は▲0.2%程度になるとみる。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2021年7~9期実質GDP(第1次速報値)予測』を参照)。

 

(2021年10月29日)

 

宅森 昭吉

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

理事・チーフエコノミスト

 

三井住友DSアセットマネジメント株式会社 理事・チーフエコノミスト

旧三井銀行(現三井住友銀行)で都市銀行初のマーケットエコノミストを務める。さくら証券チーフエコノミストなどを経て現職。
パイオニアである日本の月次経済指標予測に定評がある。身近な社会データを予告信号とする、経済・金融のナウキャスト的予測手法を開発。その他、「景気ウォッチャー調査」などの開発・改善に取り組んできている。「より正確な景気判断のための経済統計の改善に関する研究会」など政府の経済統計改革にも参画。「景気循環学会」常務理事。
著書に『ジンクスで読む日本経済』(東洋経済新報社)など。

著者紹介

連載【宅森昭吉・理事・チーフ エコノミスト】エコノミックレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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