(※写真はイメージです/PIXTA)

「老後2000万円問題」が話題となったことからもうかがえるように、今、多くの日本人が老後生活に不安を抱えています。「公的年金だけでは老後の資金が足りない…」、そこで注目される「企業型確定拠出年金」「個人型確定拠出年金」について、企業年金コンサルタントの細川知宏氏が解説していきます。

 

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企業年金は様々あるが…企業型確定拠出年金のメリット

個人型確定拠出年金は、iDeCoの愛称ですっかり普及しています。

 

iDeCoは、もともとは、厚生年金に加入できない自営業者など(第1号被保険者)の2階~3階部分に該当する年金として導入されたものです。

 

※ 1階部分…国民年金 2階部分…厚生年金 3階部分…企業年金、iDeCoなど を指す。

 

しかし現在ではそれが拡張されて、会社員・公務員(第2号被保険者)、あるいは会社員などに扶養されている配偶者(第3号被保険者)も、加入できるようになりました。

 

会社員がiDeCoに加入する場合は、3階部分の私的年金となります。3階部分として、企業型確定拠出年金などほかの企業年金制度が会社に導入されていない場合は、従業員はiDeCoに加入できます。また、確定給付型企業年金(DB)等が導入されている場合も、加入できます。

 

一方、会社に企業型確定拠出年金が導入されている場合、原則としてiDeCoは併用できません。ただし、会社が規約でiDeCoへの加入を認めている場合は、併用可能です。なお、2022年5月以降は、原則として企業型確定拠出年金とiDeCoの併用が可能となるように、制度が改正される予定です。

 

ほかの制度の導入状況によって、iDeCoに拠出できる掛金額の上限が変わってきます。

 

まず、会社に企業年金制度が何もない場合、最大で月額2万3000円までの加入が可能です。次に会社が企業型確定拠出年金を導入していて、規約によりiDeCoへの加入を認めている場合は、企業型確定拠出年金が月額3万5000円、iDeCoが月額2万円、合計で月額5万5000円が上限になります。

 

さらに、会社が企業型確定拠出年金以外の企業年金を導入している場合、iDeCoは月額1万2000円が上限となります。

 

企業型確定拠出年金が導入されているほうが、iDeCoのみよりも拠出できる掛金が多くなっており、これが企業型確定拠出年金のメリットの一つです。

 

また、iDeCoの場合、その手数料は個人が負担することとなり、個人にとってはデメリットとなります。

 

一方で、企業型確定拠出年金の場合には、その手数料は企業が負担します。これも、加入者にとっては、企業型確定拠出年金のメリットです。

次ページ「企業型」には、iDeCoよりもメリットが多いワケ

※本連載は、細川知宏氏の著書『社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法

社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法

細川 知宏

幻冬舎メディアコンサルティング

社員の退職金・年金を「見える化」し、社長の老後資金も増やせる⁉ 中小企業だからこそ活用できる「企業型確定拠出年金」を徹底解説。 本書では、大手証券会社勤務を経てIFA(金融商品仲介業者)となり、数々の「企業型確定…

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