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退職金は「いいスタッフのみ」に支払っていた歯科医院
【事例】人材確保も視野に入れ確定拠出年金を導入したX医療法人
●業種:歯科医院
●従事者数:58名(短時間労働者を含む)
●現在の退職金制度:中小企業退職金共済制度(中退共)、選択制確定拠出年金、養老保険(退職一時金として
■もともと中退共と養老保険で退職給付金を準備していたX医療法人
A理事長が経営しているX医療法人は、2009年創業、2つの歯科医院を経営しており、従事者は約60名です。
もともとの退職金制度は、中小企業退職金共済制度(中退共)と退職一時金の資金手当のための養老保険(ハーフタックスプラン)の二本立てでした。中退共は勤続4年目、養老保険は6年目から加入することとしていました。
中退共については、一般スタッフは5000円(パートスタッフは3000円)、医師の場合は1万円からスタートして、掛金を毎年1000円ずつ増額する方式です。
また、養老保険については、一般スタッフは200万円、医師は300万円という上限を一律で設けて積み立て、退職時には、会社が受け取る満期金または解約返戻金を原資として、退職金を支払うシステムです。
さらに、特にパフォーマンスが高かったスタッフには別途、会社の剰余金から、退職一時金を支払っていました。ただし、この部分については感謝の気持ちを込めた特別ボーナスのような意味あいであり、退職金規定として制度化はしていないそうです。
規定を作成すると、経営状況にかかわらず支払いが義務化されるため、それを避けたかったからで、スタッフから聞かれれば「こういう形で支払う予定です」と答えてきたとのことです。