歯科医院が「確定拠出年金」を導入しただけで、“よりよい人材を確保”できるようになったワケ【企業年金コンサルタントが解説】

歯科医院が「確定拠出年金」を導入しただけで、“よりよい人材を確保”できるようになったワケ【企業年金コンサルタントが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

企業型確定拠出年金は、会社が拠出した資金を従業員が運用して、老後のための資産を増やすものです。実際に導入した歯科医院・理事長が感じているメリットについて、『退職金は「いいスタッフのみ」に払っていた歯科医院…企業年金の導入で“事態が急転”』に続き、企業年金コンサルタントの細川知宏氏が詳しく解説します。 ※プライバシー保護のため、細部は多少変更しています。

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「確定拠出年金は採用面で効果がある」理由

【事例】人材確保も視野に入れ確定拠出年金を導入したX医療法人

 

●業種:歯科医院

 

●従事者数:58名(短時間労働者を含む)

 

●現在の退職金制度:中小企業退職金共済制度(中退共)、選択制確定拠出年金、養老保険(退職一時金として)

 

企業型確定拠出年金の導入に成功し、A理事長はX医療法人の退職給付金制度全体の見直しを検討しています。

 

それは、現在、企業型確定拠出年金と中退共、養老保険の三本立てになっているものを整理するということです。資金効率や管理負担の低減を考えるなら、一つに絞るのが理想的ですが、A理事長は確定拠出年金と中退共の二本立てが現実的と考えています。

 

その第一の理由は、人材確保です。確定拠出年金は採用面で効果があります。しかし、応募者への聞き取りなど、いろいろ調べてみると、中退共にも加入していることが、いっそう効果を高めている可能性が分かったのです。それは、求人票に2つの制度が記載されていることで「より退職金制度が充実している印象を与える」ということなのです。

 

もう一つの理由は、確定拠出年金は拠出金の上限(X医療法人の場合は月額5万5000円)が決まっているためです。

 

「上限まで拠出している人が、さらにプラスアルファで老後資金を確保したいというとき、補完できる制度として中退共を付け加えておきたい」ということです。

 

また、確定拠出年金は選択制のため、中退共を続けるのには「全員加入」の制度を残すという意味合いもあります。選択制の確定拠出年金には加入しないスタッフにも、最低限の退職給付金を準備できます。

次ページ自社の退職給付金制度への満足度…「80点」の内訳

※本連載は、細川知宏氏の著書『社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法

社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法

細川 知宏

幻冬舎メディアコンサルティング

社員の退職金・年金を「見える化」し、社長の老後資金も増やせる⁉ 中小企業だからこそ活用できる「企業型確定拠出年金」を徹底解説。 本書では、大手証券会社勤務を経てIFA(金融商品仲介業者)となり、数々の「企業型確定…

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