(※画像はイメージです/PIXTA)

病院に通うのがつらい。自宅で治療を受けたい。最期の時間を過ごしたい。そのような患者の思いをかなえることは可能なのでしょうか。本記事では「在宅医療」の可能性について見ていきます。※本連載は中村明澄著『「在宅死」という選択』(大和書房)より一部を抜粋し、再編集した原稿です。

「訪問診療」と「往診」は何が違うのか?

■24時間対応の在宅療養支援診療所

 

在宅医療を行っているクリニックには、在宅療養支援診療所と呼ばれているところがあります。在宅療養支援診療所は、2006年からはじまった制度で「定期的な診療により、高齢者や障がい者が自宅で療養することを中・長期的に支援し、必要があれば、看取りまでを行う継続的な医療形態」と定義されていて、24時間体制の確保などの一定の施設基準を満たす必要があります。

 

定期的に訪問して医療を行うことは「訪問診療」と呼ばれ、これはみなさんがよく耳にされる「往診」とは区別して使われます。「訪問診療」は月に1~4回程度、患者さんの病状に合わせて継続的・計画的に訪問して行う診療のことで、一方「往診」は、患者さん側から「具合が悪いから来てほしい」といった要請があったときに行うものです。

 

たまに「具合が悪くなったときだけ来てもらえないか?」と言われることがありますが、急な状態変化に対応するためには日頃の状態を把握しておくことが大切なため、在宅医療は、定期的な「訪問診療」と緊急時の「往診」の組み合わせで成り立っています。

 

「訪問診療」も「往診」もすべてのクリニックから提供することが可能ですが、在宅療養支援診療所以外のクリニックでは、24時間対応が必須ではないため、診療時間外に具合が悪くなっても、電話で相談したり診てもらうことはできません。

 

そのため、通院が難しくなって自宅療養を行う場合、特に自宅で最期まで過ごす(自宅で亡くなる)ことを考えている場合は、24時間体制が整っている在宅療養支援診療所に依頼するのがよいと思います。また、がん終末期の方は「在宅緩和ケア充実診療所※」に訪問診療を依頼することをお勧めします。

 

ご自分の住む地域で、どんな在宅医療が可能なのかを早いうちから知っておくことは、ご家族にとってもご自分にとっても、安心材料になるはずです。

 

※在宅療養支援診療所の中でも、複数の医師(医療機関)で協力して24時間365日対応する体制の診療所は「機能強化型在宅療養支援診療所」と新たに認可(2012年より)されました。さらに、緊急往診や在宅での看取りの実績、緩和ケアの症状コントロールの実績が十分にある診療所は、2016年より「在宅緩和ケア充実診療所」として認可されるようになりました。

 

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