(※写真はイメージです/PIXTA)

慢性腎臓病(CKD)が進行すると、透析が必要な状態になります。早期発見が肝心なものの、腎臓機能が低下しても急激な症状はなく、「なんとなくだるい」と考えているうちに大ごとになっているケースが多いようです。慢性腎臓病と早期発見について、南青山内科クリニック院長の鈴木孝子氏が解説します。

「対症療法で緩和するしかない」状態に…

いかにこれ以上低下させないか、が治療目標になってしまうので、つらい症状を根本的に改善することは不可能なのです。対症療法で緩和するしかない、ということです。

 

ここで徹底的に栄養や水分の管理をすれば、その方の年齢にもよりますが、透析を免れる可能性はゼロではありません。しかし、ほとんどの場合、治療を行っても腎臓機能は緩やかに低下していき、末期腎不全に至ります。

 

腎不全が進むと前述のような尿毒症の症状が強まり、生活に支障をきたすようになります。いわゆる生活の質(QOL)や日常生活動作(身支度、食事、排泄といった日頃の生活で行う動作:ADL)が著しく低下していきます。患者さんには、こうした心身への負担とともに、ケアに必要な費用もかさむため、経済的な負担も大きくなってきます。

 

それを回避するためにも、腎臓機能の低下は早期に見つけ、早期に治療開始するほうが望ましいのです。

 

 

鈴木 孝子

南青山内科クリニック 院長 

※本連載は、鈴木孝子氏の著書『「生涯現役」をかなえる在宅透析』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

「生涯現役」をかなえる在宅透析

「生涯現役」をかなえる在宅透析

鈴木 孝子

幻冬舎メディアコンサルティング

わが国で透析といえば一般的に、医療機関に通って行う「施設血液透析」のことを指します。 実際に9割の患者がこの方法で治療を受けています。しかしこの方法は、人間らしい生活が奪われるといっても過言ではなく、導入直後は…

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