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日本の食卓では身近…「無理のない減塩」のポイント
●旨味を上手に利用する
味覚には「甘味」「苦味」「酸味」「塩味」などさまざまなものがありますが、意外と意識されていない、基本の味覚があります。
それが「旨味」です。
日本の食卓では、昆布や鰹節、干し椎茸といった、いわゆる出汁の旨味が身近だと思います。それぞれ、何を出汁に使うかによって風味は変わり、使う料理の味も大きく左右されます。おいしい出汁が取れれば煮物も、汁物も、一味違う一品になるはずです。
しかし、私たちは普段の食事で出汁だけを飲む、という機会はめったにありません。たいていそこに塩やしょうゆ、味噌が入り、すまし汁だったり味噌汁だったりといった一品になるという認識です。
実際、出汁だけを飲んでも「確かにおいしいとは思うけれど、これだけを食事として摂るのでは物足らない」という人がほとんどでは、とも思います。
しかし、考えようによっては、そう思うこと自体が「濃い味に慣らされている」結果かもしれません。
出汁だけで味付けするのは無理があっても、例えばしょうゆを出汁で割る「出汁割しょうゆ」にするのはいかがでしょうか。これで塩分を低く抑えることは可能です。
昆布や鰹節などの自然の食材からとった出汁を、しょうゆに適量加えるだけなので簡単につくれます。市販の顆粒だしやだしパックのなかには、化学調味料として塩分が含まれていることも多いので、できるだけ自然の食材を使うか、商品パッケージを確認して塩分の含まれていないものを選ぶとよいでしょう。
最初のうちは、いつもより薄味で物足らないと思うかもしれませんが、旨味が味わいをカバーするので、それほど味気なさを感じずにすむと思いますし、続けるほどに、出汁の旨味がおいしく感じられるようになってきて、しょうゆの量が減ることも期待できます。そうすれば減塩効果も大きくなります。
舌を薄味に慣れさせることが、無理のない減塩のポイントですが、出汁割しょうゆはその有効な方法としておすすめです。