患者「えっ?」と意外な顔…血液のろ過・人工透析は自力で可能 (※写真はイメージです/PIXTA)

腎不全が進行すると、人工的に血液の浄化を行う「人工透析」治療の必要に迫られます。成人の8人に1人が腎臓病であるいま、誰にとっても他人事ではありません。さて、透析は病院で行うものがよく知られていますが、実は在宅でも可能なことをご存知でしょうか。その詳細を、腎臓内科医・南青山内科クリニック院長の鈴木孝子氏が解説していきます。

 

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難しい?…「透析治療」は、自分で自宅で行える

「透析は、自分でできるんですよ」

 

腎不全が進み、そろそろ透析を検討しなければならない患者さんに、このようにお話しすると、皆さん「えっ?」と意外な顔をします。

 

そして「難しそう。自分にはできそうにない」とも……。

 

ですが国内では2019年末時点で750人以上の透析患者が、自分で自宅にて行う方法で血液透析を行っています。

 

確かにその割合は、施設に通って行う施設血液透析に比べわずかなものです。でも決して、「限られた人しか受けられない」特別な治療法ではありません。国内ではすでに、約40年もの歴史があります。

 

治療費も、施設血液透析より高いということはなく、公的保険で受けられます。自分で透析ができたら、わざわざ施設に週3回通う必要はなくなります。

 

何時までに必ず来てくださいね!と言われずにすみ、自分の空いた時間に透析ができます。4時間もの透析時間をずっとベッドの上で過ごす必要もありません。ソファに座ってテレビを見たり、本を読んだり、住み慣れた自宅でくつろぎながら、透析を行うことができるのです。

 

透析の日は、自宅との行き帰りを含めるとほぼ1日、そのために費やさなければならない、という人が多いと思います。それが、自分で自宅にて透析を行えるようになれば、透析中の数時間はともかく、自由時間がぐんと増えます。

 

誰でも1日24時間のもち時間は同じです。治療でしかたなく、貴重な時間を削られるよりも、その分自由に使えるほうがいいに決まっています。しかも、透析は一生にわたりますから、1年、3年、10年、と経てば、自由になる時間は膨大なものになります。

 

自宅に器械を設置し自分で行う透析治療を「在宅血液透析」といいます。ここ10年ほどの間で3倍以上となり、働き盛りの世代から第二の人生を歩む60〜70代まで、治療を受けている年齢層も広がりを見せています。

 

また、かつては施設透析や腹膜透析を行っていた患者が、状態を見ながら在宅血液透析に移行していくパターンが主流でしたが、近年は、血液透析の導入当初から、在宅透析に興味をもつ人も増えてきました。

南青山内科クリニック 院長 医師

1992年3月、長崎大学医学部医学科卒業。
東京大学医学部附属病院、小平記念東京日立病院、社会保険中央総合病院で勤務。
2000年3月に東京大学大学院医学部医学系研究科内科学専攻博士課程修了。
高島平中央総合病院腎臓内科部長、森山リハビリテーション病院腎臓内科部長を経て、
2007年4月より駒込共立クリニック院長。
2011年6月に南青山内科クリニックを開業。

著者紹介

連載「生涯現役」をかなえる在宅透析

※本連載は、鈴木孝子氏の著書『「生涯現役」をかなえる在宅透析』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

「生涯現役」をかなえる在宅透析

「生涯現役」をかなえる在宅透析

鈴木 孝子

幻冬舎メディアコンサルティング

わが国で透析といえば一般的に、医療機関に通って行う「施設血液透析」のことを指します。 実際に9割の患者がこの方法で治療を受けています。しかしこの方法は、人間らしい生活が奪われるといっても過言ではなく、導入直後は…

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