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難しい?…「透析治療」は、自分で自宅で行える
「透析は、自分でできるんですよ」
腎不全が進み、そろそろ透析を検討しなければならない患者さんに、このようにお話しすると、皆さん「えっ?」と意外な顔をします。
そして「難しそう。自分にはできそうにない」とも……。
ですが国内では2019年末時点で750人以上の透析患者が、自分で自宅にて行う方法で血液透析を行っています。
確かにその割合は、施設に通って行う施設血液透析に比べわずかなものです。でも決して、「限られた人しか受けられない」特別な治療法ではありません。国内ではすでに、約40年もの歴史があります。
治療費も、施設血液透析より高いということはなく、公的保険で受けられます。自分で透析ができたら、わざわざ施設に週3回通う必要はなくなります。
何時までに必ず来てくださいね!と言われずにすみ、自分の空いた時間に透析ができます。4時間もの透析時間をずっとベッドの上で過ごす必要もありません。ソファに座ってテレビを見たり、本を読んだり、住み慣れた自宅でくつろぎながら、透析を行うことができるのです。
透析の日は、自宅との行き帰りを含めるとほぼ1日、そのために費やさなければならない、という人が多いと思います。それが、自分で自宅にて透析を行えるようになれば、透析中の数時間はともかく、自由時間がぐんと増えます。
誰でも1日24時間のもち時間は同じです。治療でしかたなく、貴重な時間を削られるよりも、その分自由に使えるほうがいいに決まっています。しかも、透析は一生にわたりますから、1年、3年、10年、と経てば、自由になる時間は膨大なものになります。
自宅に器械を設置し自分で行う透析治療を「在宅血液透析」といいます。ここ10年ほどの間で3倍以上となり、働き盛りの世代から第二の人生を歩む60〜70代まで、治療を受けている年齢層も広がりを見せています。
また、かつては施設透析や腹膜透析を行っていた患者が、状態を見ながら在宅血液透析に移行していくパターンが主流でしたが、近年は、血液透析の導入当初から、在宅透析に興味をもつ人も増えてきました。