恐ろしい…「水の飲みすぎ」で“心臓が伸びきってしまう”ワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

腎機能が低下すると、水分量を多くして尿量を増やす必要がありますが、重症度が進むと今度は水分制限が必要になってきます。そのメカニズムとは? 水が慢性腎臓病(CKD)患者の身体にもたらす影響について、腎臓内科医・南青山内科クリニック院長の鈴木孝子氏が解説します。

 

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慢性腎臓病(CKD)患者に「尿量の確保」が必要なワケ

CKD患者さんの水分管理は、腎機能によって異なります。

 

健康な人の腎臓では、糸球体で尿毒素の濾過を行い、尿細管で水分の再吸収をし、尿をつくっています。CKDでも、軽症の段階で腎機能(尿を濃縮する能力)が良好であれば、腎臓が調整をしてくれているので、水分量を制限する必要はありません。

 

しかし腎機能が低下してくると、尿毒素を濃縮して排泄することが困難になるため、排泄を促すためには、摂取水分量を多くして、尿量を増量することが必要になってきます。

 

塩分をしっかり制限して、むくみがないことが前提ですが、十分な尿量があれば腎臓への負担を減らせると考えられています。

 

一日の水分摂取量の目安は1.5~3L。多過ぎても、腎臓に負担が掛かります。

 

尿量は1日2000mL以上、できれば1日2500mL程度あることが腎臓によいとされています。とはいえ、家庭で日々の尿量を測定することはなかなか困難な場合もあると思いますので、毎日体重測定を行い、減少していれば意識的に水分を摂り、増加している場合は、塩分を控えるようにすることをおすすめします。

 

特に汗をかく夏は、水分を十分に摂るよう心掛けましょう。

 

なお、さらに重症度が進むと、摂取した水分量の排泄ができずに体内に貯留することもあり、このような場合は水分制限が必要となります。

 

CKD患者さんでは、尿量の確保のため水分を十分に摂ることが大切ですが、重症度が進むと、むくみや血圧、心臓の状態により水分制限が必要になってきます。そして透析導入後は、心不全を起こさないためにも水分制限には必ず取り組まなければなりません。

 

しかし、なぜ水をたくさん摂ってはならないのか、いまひとつピンときていない人も多いようです。

南青山内科クリニック 院長 医師

1992年3月、長崎大学医学部医学科卒業。
東京大学医学部附属病院、小平記念東京日立病院、社会保険中央総合病院で勤務。
2000年3月に東京大学大学院医学部医学系研究科内科学専攻博士課程修了。
高島平中央総合病院腎臓内科部長、森山リハビリテーション病院腎臓内科部長を経て、
2007年4月より駒込共立クリニック院長。
2011年6月に南青山内科クリニックを開業。

著者紹介

連載「生涯現役」をかなえる在宅透析

※本連載は、鈴木孝子氏の著書『「生涯現役」をかなえる在宅透析』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

「生涯現役」をかなえる在宅透析

「生涯現役」をかなえる在宅透析

鈴木 孝子

幻冬舎メディアコンサルティング

わが国で透析といえば一般的に、医療機関に通って行う「施設血液透析」のことを指します。 実際に9割の患者がこの方法で治療を受けています。しかしこの方法は、人間らしい生活が奪われるといっても過言ではなく、導入直後は…

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