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「食事はコンビニ」…働き過ぎの現代人と生活習慣病
透析患者の7割以上は糖尿病性腎症なので、糖尿病をもっている人がたいへん多いです。また、糖尿病の人は血管が動脈硬化を起こしているため、高血圧も合併している人がほとんどです。
よく知られているとおり、高血圧の主たる要因は塩分の摂り過ぎです。糖尿病についてはいうまでもなく糖質の摂り過ぎ、そしてカロリーオーバーが元凶です。
つまり、透析をしている・いないにかかわらず、CKD(慢性腎臓病)患者さんは最低限、「糖質の摂り過ぎ」と「塩分の摂り過ぎ」に気をつけなければいけないのです。
発症前にこれらに気をつけていれば、CKDになる人を減らすことができるのですが、現実はなかなかそううまくいきません。
というのも、現代人はそもそも過重労働で、自分の体のことは二の次という人がとても多いからです。
体のことを考えていないと、自ずと生活習慣は乱れてしまいます。寝不足で疲れ気味。食事も気を使わないのですぐ食べられて空腹が満たせるパンやおにぎり、うどんといった、炭水化物に偏りがちです。
私が今まで診てきた患者さんで、CKDがかなり進行した段階で初診に来られた方の大半は、朝から晩まで働いて、寝不足であり、食べ物はコンビニなどですぐ調達できるものですませるので糖質が多い、また健康診断を受ける余裕もなく、受けても結果を見ていないためにクレアチニン値が異常になっても気づかない、といったライフスタイルでした。
どんな生活習慣病にもいえることだと思いますが、仕事優先で自分の体のことをよく知らない、という人ほど、早期発見、早期治療から遠ざかってしまいます。
裏返せば、CKDにかかっていない健康な人なら年1回、健康診断を受けて自分の状態を知る時間をつくれば、防げる可能性が高いのです。費用面でも負担ゼロ、あるいはわずかな負担で、病気にならずにすむのなら、CKDにかかったあとの治療費を考えれば比較にならないほど、心身にも経済的にも楽なはずです。